もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■■■■■■週刊
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■■■■■■■■■■2007年9月21日(金)発行
■■■■■■進む原田
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目次
0 ・・・・・・・ちょっと長目のまくら
1 ・・・・・・・増えてきた力タカナ肩書
2 ・・・・・・・鶏頭牛尾「牛尾たるよりも鶏頭たれ」    
3 ・・・・・・・意識内容のリフレーミング その2
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■  ■   ちょっと長目のまくら
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●発行の間隔があくと
私の体調を心配してくださる、ありがたい読者がいらっしゃいますが、
忙しいか気分が乗らないだけですのでご安心を。

●壊れた傘が15本道路に捨てたまま
先日の台風の朝、市ケ谷駅から会社まで10分の間に壊れた傘があちこちに散らばっていました
駅前に自転車が3台ひっくり返ってて、
横に傘が4本捨ててあり、先に5本目が見つかったから、
「よし数えてみよう」と数えていったらなんと15本になりました。
私の傘も骨が一本曲がってあわててもどそうとしたのですが、
いったん折れたらもうだめですね。
500円傘を修理に出すか微妙な金額で、
頭に来て放り投げたい気持はわかるけど、道路はまずいのでは。
昼過ぎに同じところを歩いていたら、
自転車管理のゼッケンしたおじさんが5〜6本束にくくって拾い集めていました。
見るに見かねてやってくれてたんでしょうか?
●前回の「効率会議の仕方」に関して○○さんのメール
日本企業の会議の代表的パターンについて書いてきてくださいました。
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以下、○○さんのメールを私が箇条書きにまとめたもの

・日本の会議は、稟議制・大部屋主義に基づいた調整会議である。
・意思決定は会議の前になされている
・事前に事務局(若手)が意思決定者(上司)と事前調整という名目で打ち合わせ、
意思決定者(一人、複数、組織)により意思決定される。
会議は決定されたものを関係者で意思確認・情報共有化することが目的。
参加者に事前に資料を配ることはなく、意思決定に関係しそうなメンバーには本会議資料ではなく
事前調整段階で様々な検討資料を渡してある(俗に言う「根回し」)。
関係無いメンバーは初見となる。
会議の場では意見を聞くが大きな齟齬が無ければ意思決定は覆えらない。

・事務局が決定に対する影響力を持つ
事務局は会議ギリギリまで資料作成や文面調整を行い、意思決定者が納得いく書類を作成し、
事務局は自分の仮説を持って資料作成を行う。
数字でもストーリーでも事務局で作る資料は、
意思決定者に強いバイアスがかかる可能性が高い。
時折、事前調整時に意思決定者は全くの上位概念で否定したり、
自分なりの角度での資料を要求したり、再検討を指示することはある。

・日本の政治もほとんどが官僚が案を作り説明して、
大臣が政党政治を鑑みながら意思決定しているのではないか。

以上、○○さんのメールを箇条書きにまとめたもの
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なるほど、○○さんが勤める一流企業はじめ他の日本企業の会議は、
それなりにちゃんとしたうまい仕組みになっているんですね。
前回の「効率会議の仕方」は、
決定に大きな役割を果たす「事務局の非公式な会議」に相当するのでしょう。
つまり日本の会議は裏会議と表会議があって、表会議は討論する場ではなく、
「こういう事情でこう決定するけど文句ないですね。従いますね」という会議。
決定責任を個人がとらなくてよい、などの様々なメリットもあるのでしょうが、
決定のプロセスをグリグリ回すために、関係ない会議まで呼び出されて、
欧米企業の9時始り5時全員退社という真似はできないでしょうね。
それと、裏集団会議の「無名性」は「無責任性」につながり、
社会心理学理論の「傍観者効果」や「社会的手抜き」などの集団心理が働いて、
正常は判断を狂わせる落とし穴があるといいます。
また「稟議制・大部屋主義」は終身雇用の中で温存されたシステムで、
組織から間違った判断の犯人をださないようになっていました。
失敗者の烙印が押されると、その人の社会生命をうばいかねなかったからです。
欧米のように「あ、あれは私の決定ミスです。責任とって辞めます」といって、
「向こう傷」を勲章に、次の会社に就職して、前の反省を土台にして再チャレンジできる社会
になれば会議も変わって来るでしょう。
アメリカでは会社つぶした事がある社長のほうが経営者として信用があるそうですが、
日本でも最近変わってきているようです。
「会社は頭から腐る」冨山和彦著、ダイヤモンド社の本の帯には
真剣勝負で「負け」を経験した人をトップに任命せよ!(冨山和彦2007)
となっています。

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  ■    増えてきた
  ■    力タカナ肩書
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力タカナ肩書読み解くコツ(日経9.1)という記事が出ていました。
最近名刺交換で、名刺の肩書きを見てもどっちが上司かわからなくなりました。
「グルーブリーダー」「シニアマネジャー」「アカウントディレクター」ととどっちがどっち?
これは外資系の影響で、日本企業も真似してカタカナの肩書が増えています。
まず「係長」を見なくなりました。「部長」はまだたまに残っていますね。
終身雇用型昇級をやめて、実力給にするために肩書きを取り上げたのでしょう。
以前は歳とっているほうが上司という見分けも付いたのですが、
外資系、IT系企業は、ポロシャツ青年が上だったりします。
リーダーよりもマネジャーのほうが偉そうだし、ディレクターはさらに上かな?
エグゼクティブはさらにもっと上かな?という勘は働くようになりました。
しかし最近「エキスパート」「アソシエイツ」などが加わって来たらか、
もっとややこしい。つまり肩書きで商売しないぞということになってきたのでしょう。
座る位置も以前は偉い人が真ん中に座り、お茶も偉い人から順に出すようになっていましたが、
最近は「僕はここで良いから」と隅っこに座ったり、
お茶を端っこの人から回したりするところがあるから用心する必要があります。
外資系にいたり若くて出世したは人、習慣を壊すある種の快感があるんでしょうね。
困るのは訪問者のほうです。
やはり最上級者(最終決定者)のほうを向いて話した方が説得力がちがいますので、
「あのーこの中でキーマンはどなたでしょうか?」とこっそり聞くほうがいいですね。
昔は「○○部長」と飲みやにいってまで肩書きつけて呼んでいたのですが、
今は「○○シニアアカウントエヒレクター」と呼ぶわけにはいかないから「さん付け」になりました。
もしかしてこれが2番目のネライ?
部長に向かって「○○さんそうじゃないでしょう」という雰囲気になり、
課長の意見より部長の意見が重いという日本型文化は減少します。

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以下、日経(日経9.1)から、

肩書きを読み解く基本5法則
1.「マネジャーは課長級」と考える
組織を部・課制からグループ・チーム制に変更した企業の部門長は、
一般的にマネジャーやリーダーを名乗る。
マネジャーは従来の課長に相当するケースが多い。

2.役職の上下を示す言葉に注目
シニアマネジャーと同様に、マネジャーの上を表す「ゼネラル」、
下を表す「アシスタント」「サプ」などがある。
シニアマネジャーは、マネジャー(課長)の一つ上の部長級と推測できる

2.組織の大きさを示す言葉に注目
グループリーダーのように、
組織の大きさを表す言葉に「チームユニット」などがある。
一般に、本部(力ンパニー)>部>グループ>チームの順。
どのクラスの責任者かを知れば、序列を推測できる

3.業務務内容を表す言棄が含まれる肩雷もある
マーケテイングディレクターのように、
業務内容とポジションを組み合わせた肩書がある。
担当する役割を示すことに重きがあリ、
序列の階層は深くないケースも

4.団専門職は別の体系をとる場合も
マネジメント層と特定の分野の専門職に分けた
複線型の出世コースを設ける企業がある。
例えばスペシャリストなどの肩書がそれ
以上、日経(日経9.1)から、

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   ■    鶏頭牛尾
 ■■■    「牛尾たるよりも鶏頭たれ」
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二十歳前に勤めていた森永牛乳販売店のおやじさんに言われた言葉です
おやじさんは福岡都心、中洲近くで販売店主になれたことが満足のいく成功で、
「常に一番を目指せ。オレは常にそれを心がけてきた」と跡取りの娘婿に言っていたし
私も同じ説教を聞かされました。その時なんかちょっと安心しました。
一流企業に入れなかった人、大企業をクビになった人、
鶏頭牛尾を声に出して叫びましょう。
もっとも牛尾から出世して牛頭になれれば、天下とったような満足がえられるのでしょう。
しかしそれは万に一つの可能性ですし、何で足をすくわれるかわかったものじゃありません。
鶏頭なら従業員1人でもなれます。
私は企業にいたのは数年で、何十年間、鶏頭が身にしみていて、
今となっては牛乳屋のおやじさんの満足感はわかります。
鶏頭牛尾を調べたら、
「鶏頭となるも牛尾となる事なかれ」「牛尾より鶏頭とならん」
「鶏頭をとるも、牛尾となるなかれ」「鶏頭となれども牛尾にならず」
などと色んな言い方がありました。
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   ■       
 ■■■   意識内容のリフレーミング
   ■   その2
   ■   「娘の頑固さを訴える父親」の話。
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前回
「リフレーミング」―心理的枠組の変換をもたらすもの
ヒューマン・グロウス・センター;星和書店
・バンドラー,リチャード・グリンダー,ジョン【著】
・吉本 武史・越川 弘吉【訳】
という本の中の「家族がじゅうたんを泥足でよごす」という
強迫神経症の母親に対するリフレーミングの話を紹介しましたが
今回はもう一つ別の「娘の頑固さを訴える父親」の話。

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以下「リフレーミング」の中から、

ヴァージニアは、ある家族を治療中でした。
父親は銀行家で、職業柄、堅苦しい人物でした。
それも並たいていの堅物ではなかったようです。
悪い人間ではなく、善意に満ちており、
家族の面倒をよく見、自分でも気にしてセラピーを受けにくるくらいなのですが、
基本的に気むずかし屋なのです。
妻の方は、ヴァージニアの言葉によれば、典型的な「プラケーター」でした。
ご存知でない方のために説明しますと、「プラケーター」というのは、
何を言われても賛成したり謝ったりする人のことです。
「いいお天気ですね!」と言うと「そうですね、すみません!」と答える、といった具合です。
面白いことには、娘は両親の性格を混ぜ合わせてもっていました。
彼女は、悪いのは父親で、母親はすてきな人だと思っていて、
いつも母親の味方をするのですが、自分では、父親とそっくりの振る舞いをするのです。
セッションで父親が繰り返し訴えたのは、
母親が娘の育て方を誤ったので娘が頑固になった、ということでした。
何度目かの訴えの途中で、
ヴァージニァはそれをさえぎり、父親を見つめてこう聞きました。
パ ト「あなたは人生の成功者ですね?」。
父親「そうです」。
パ ト「あなたの財産は、誰かにもらったものですか。
お父様が銀行をもっていて、『お前のものだよ』と言われたのですか」
父親「とんでもない。私は自力で出世したんです」。
パ ト「じゃあ、あなたには、粘り強さがありますね?」。
父親「ええ」。
パ ト「それが、あなたを今の地位につけ、銀行家として成功させた部分というわけですね。
それから、時には他人の要求に対して、聞き入れたいとは思っても、
後でよくない結果になるとわかっているから拒まざるをえないことがありますね?」。
父親「ええ、ありますよ」。
パ ト「それは、大事なところで、あなたを守ってくれる頑固な部分というわけですね」。
父親「まあそうです。野放しにするわけにはいきませんからな」。
パ ト「さて、振り返って、お嬢さんをよく見てください。
そして、お嬢さんに、自分を頑固に主張することを教えたのはまさにあなた自身であり、
頑固なこと、それは貴重な性質だということを認めてください。
それは、どこにも売っていないあなたからの贈り物で、
それによって生命を救われることだってあるかもしれません。
お嬢さんがよくない下心のある男とデートしたとすれば、
この性質がどんなに大切なものになることでしょう」。
以上、「リフレーミング」より
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いかがですか?
素晴らしい意識内容のリフレーミングですね。
まさに「ものも言いよう」というやつです。
頑固であるというのは、家庭内では困りものですが、
父親の、銀行業や、失礼な振る舞いをする男とのデートという状況では、
良いことに変わるわけです。
つまり父親は娘の頑固が「反抗」ではなく、
「悪い男から身を守るように自分が教えた・・・自分のお手柄だ」
となって、それは悩みではなくなるわけです。
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