もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■「デジャ」
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■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル264号
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■■■■■■■■■■2008年10月31日(金)発行
■■■■■■進む原田
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目次 0 ・・・・・・まくら 
1 ・・・・・・視覚伝達優位説・・・その2  
2 ・・・・・・葬儀屋の友人
3 ・・・・・・大統領選挙のネガティブ・キャンペーン

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■  ■   まくら  
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●Wiiプレゼントバカ喜びシリーズ

 友人がYouTubeで面白いのがあるからと教えてくれました。
「Wii をゲットして歓喜する子供たち 総集編」です。
クリスマスイブの晩に子供に「目をつぶって開けてごらん」とかいってプレゼントの箱を渡します。
「子供はなんだろう」という顔で包み紙をやぶります。
Wiiのロゴが見えた途端に「オーマイガー・・・・・ウィー」と叫んで狂喜します。
その狂喜シーンを親が撮影して投稿してきたものを何本も集めたもので、
次から次と色んな子供(親や祖父母)が出てきて、
「オーマイガー・・・・ウィーガッタ・・・・ウィー・・・ウィー」の連続です。
インド人の子供、黒人の子供、皆そろって「ウィー」「ウィー」「ウィー」の大合唱。
気絶して見せる子、ダンスする子供、中には泣き出す子供もいます。
赤ちゃんの妹弟や犬の反応もおもしろく、周りの親、祖父母、親戚達もうれしそうです。
品薄でなかなか手に入らないものと知っているから「信じられない」と喜びもひとしおで、
親も「手に入れるのに苦労したんだぞ」と鼻高々。
「世にも稀な幸せの絶頂、喜びシーン」が次々と展開されて見てるだけで幸せになります。
ニンテンドーの社員がこれを見たら「この仕事しててよかった」とやる気がでるでしょうね。
平和産業国、日本はWiiのおかげで、世界中から好印象を得ていると思います。

●恋愛の勝負スーツも、赤い服が有利

 赤い服が他の色よりもモテルという話。
赤い服をきた女性が、男性の目に魅力的に映る可能性が高い、
というアメリカの研究結果がでました。(ロイター10.28)
調べたのはニューヨーク州のロチェスター大のアンドリュー・エリオット教授(心理学)チームです。
100人余り(ちょっと少ないか)の大学生などの男性に聞いたところ、
赤色の服を着た女性や赤色のフレームに入った女性をより性的に魅力的だと判断 したというのです。
それがどうしたって話ですが、
「the Journal of Personality and Social Psychology(人格と社会心理学)」
という専門誌に掲載されているということは、ここから何か法則を見出したのでしょう。
女性の勝負スーツは赤が多いようだけど、恋愛においても赤ということですので、
お互い(男性側も)覚えておきましょう。

●進学校

 えっ?と耳を疑いました。
30日の朝のNHKの6:40ごろのニュース番組
「おはよう日本、まちかど情報室」で「しんがくこう」と確かに言いました。
NHKが言うということは、ちゃんとした言葉として存在するんですね。
しかし今どき進学校じゃない高校ってあるんでしょうか?
全入時代の今は多くの学生が進学するんでしょう?
ウィキペディアで進学校を調べたら、
在校生の進学に重点をおいている、進学重点校だそうです。
他にも、「在校生が、大学等上位の教育課程に進むことを重視している学校」
「大学入試での合格実績を重視する学校」「大学入試中心の受験準備に偏した学校」
とのことでした。・・・・なるほど。
昔は学力が高い普通高校を進学校と呼び
低い高校はたとえ大学付属高校でも進学校とは呼ばず、その境目は微妙でした。

 私の高校も商業科とデザイン科があったから進学校ではありませんでした。
今は付属中学からあるので進学校と呼ばれています。
今でもデザイン科はありますが進学校と呼ばれだして寄りつかなくなりました。
昔よく懐かしさと遊びと人材発掘をかねて講演に行きましたが、今では、
美術大学に行くための準備機関、つまりまだ先で学べるからという感じで、
プロとはこういうもんだと本気で話す情熱を感じなくなったからです。

●国立科学博物館の宇宙食

国立科学博物館に行ってきた友人から土産に宇宙食をもらいました。
さっそくチョコレートケーキを食べましたが、乾いて水気がないだけで、
口に入れて唾液と混ざれば普通のチョコレートケーキと同じ味です。
ドライフルーツは生のフルーツと味と相当開きがありますが
そこは宇宙先端技術の粋を集めて考えられた宇宙食、味はリアルです。
今夜「キムチ」と「ライスケーキ(おもち)」を試すのが楽しみです。
友人が見に行った特別展は「菌類のふしぎ?きのことカビと仲間たち」
で漫画の「もやしもん」(石川雅之 講談社)が引き金で「菌」の人気がでそうです
「菌類と人類の関わり合いに驚きと感動が感じられる展覧会」が
キャッチコピーですが菌に感動できる人は幸せです。

●解散総選挙が伸びて

投票箱屋さんとボスター掲示板屋さんが在庫を抱えて困っているそうです。
先回りして作っとかないと間に合わないし、作った以上早く納めて代金をもらわないと
困るし・・・・政府もどうせ使うんだから代金先渡ししてあげればいいのに。

●愛さえ動く

ノエビア化粧品のキャッチフレーズです。
ノエビア化粧品で美しくなれば形勢不利から一発逆転、
愛を勝ち取ることができる・・・といった含みでしょうか?
うまい言葉とは思うけど、
はたしてターゲット女性の共感を呼ぶキャッチなのか?

●ダライラマのミッシングピース東京展

が今、代官山ヒルサイド・テラスで行われています。
ヒルサイド・テラスはよく行きましたがとってもオシャレな地域です。
ダライラマのメッセージをラジオで聞いてメモりました。
スペンド サムタイム アローン イン エブリデイ
=一日のうちで一人になる時間を持ちなさい

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  ■     視覚伝達優位説・・・・その2
  ■     全感覚を全開せよ
  ■      
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 前回、視覚伝達優位説について書きましたが、
では視覚伝達が全く得られない全盲の人はどうなるのでしょうか?
見えない人は情報が足ず大損しているのでしょうか?
小原二三夫さんという全盲の人が書いた「触るミュージアムの構想」
(視覚障害リハビリテーション第62号2005.12)を読んだ時に、
「現代の文明社会は、圧倒的に視覚優位の社会である」という書き出しにも関わらず
「この人は私よりもよく見えている人だ」と感じました。

 大量の印刷物、町中の表示、パソコンをはじめ各種の電子化された機器の画面、
カラフルな写真や図版など、日常生活に必要とされる情報のほとんどはまず視覚情報として提供されている。
そして、それらの情報を素早く読み取り処理していくことが要求される。(小原、2005)

 人間は一般に五感を持つとされているが、視覚以外の聴覚や触覚を通して情報が得られている時も、
多くの場合それら視覚以外の諸感覚にたいして視覚優位の統合が行われていると言われている。
すなわち視覚は諸感覚の中で中枢的な役割を果たしており、そしておそらく、人間存在、
アイデンティティの基底に深く関わっているかに思われる。(小原、2005)
と、一般論から話を始めています。

 しかし彼は最初から全盲です。
他の4感が視覚を十二分にカバーしているのです。
「視覚以外の諸感覚によってとらえられる世界をごく自然に受け入れ、
十代後半までは視覚優位の社会とのギャップもあまり自覚せずに過ごしてきた。」(小原、2005)
と言います。

 小原さんの書かれたものから、中村雄二郎「共通感覚論」を知りました。
そういえば私が以前勤めていたPAOSではこの「共通感覚論」が合言葉になっていて
崇め奉る対象として中村雄二郎先生の名前も出ていたと思いますが(もう一人は魯山人)
「そんなややこしいこと言わなくたって」と無視してそのまま忘れていました。

 中村雄二郎「共通感覚論」によれば、意外や意外、
視覚の圧倒的な優位は近代以降のことだというのです。
ヨーロッパ中世ではまず聴覚が重視されました。
なんと視覚は聴覚、触覚に次いで3番目でした。
理由は「信仰とは聴くことである」としたキリスト教です。
「耳だけが〈キリスト教徒〉の器官である」とルターも言っています。
視覚は官能の欲望に容易に結びつくものだから信仰上やばいわけです。
スペインの修道者は「五歩先より遠いものを眺めてはならない」としていたくらいです。

・・・・といったことは生活する上でどーでも良いことだけど
「へーっ」という感じで学問は面白いですね。

 それがなぜ視覚優位になったか?
情報の大量生産・分配技術が発展したことです。
印刷技術や映像技術(雑誌、テレビ)などを通じて、
視覚的な情報の伝達・加工技術(デザイン、映像)が飛躍的に進歩しました。
言い方をを変えればこの視覚伝達技術と手段の発展で、信仰を守り通すことの難しさもあるでしょう。
欲望につながるから見てはいけないと言ったって洪水みたいに社会に視覚情報が溢れています。
キリスト教(宗教)が衰退したとは言いませんが、先進国で聖職者は減る一方です。

 視覚優位にあぐらをかいてはいけない
 しかしこの視覚情報が飽和状態になると、今度は人々は「疲れるから何も見ない」と、
感覚を鈍磨させるので、かえって全盲の人の方が真実がよく見えるといったことが起きます
よくチャンバラで、妖術使いに対抗するために剣豪が目をつぶって「心眼」で見たりします。
座頭市が白目をあけて額をつきだしますが、額には光を感じる器官があるんだそうです。
「感性を磨くにはどうしたらいいか?」というのが一般大学で講演した後でよく出る質問です。
「そうかデザイナーの俺は感性豊かな人種で感性を商売にしていると思ってくれているのか」
と良い気分にはなるんですが答えに窮します。
デザイン学生だったら「デザイン現場の経験をたくさん積みなさい」なんてことえらそうに言えます。
今だとこう答えるでしょう。
「1.まず五感があることを認識する。2.それぞれの感覚を大事にして感じる自分を感じる、
3.自分にとってどの感覚がそれらの感覚を束ねる親分感覚かを知り、
それを人に伝える表現技術が学べれば、もっとその感覚は磨かれるでしょうね。」
とわけわかんことを言って逃げます。

触覚
 視覚に頼りすぎると、錯覚や目くらましにごまかされるようになります。
五感を総動員して感じる訓練が必要になります。
感覚の種類を視・聴・触・味・嗅覚の五感としたのはアリストテレスです。
その中でも触覚は身体で直接接して感じるので「体性感覚」と呼ばれています。
たんに触った感じだけじゃなくて、痛覚・温度覚の皮膚感覚、
および運動感覚や位置感覚、あるいは内臓感覚などからなる深部感覚があり豊かです。
当然全盲の人はこの豊かな感性で視覚を補っているでしょう。

 世界でも日本人ほどものに触りたがる人種はいないのではないでしょうか?
たとえばお茶の席にしても茶わんをこねくりまわして茶わんの重さと肌触りを楽しみます。
畳みや床の上で裸足ですごしますし。
ヨドバシやビックカメラの売り方は日本人の顧客願望に合わせた形です。
実物に触って試すなんてカメラやパソコンの買い方はまず日本だけでしょう。
ニューヨークに42ndカメラという、ヨドバシに相当するカメラ屋さんがあったのですが、
店員がこっちを向いて横に並んで、それぞれの店員の前に客がずらっと並んで順番を待ちます。
商品は箱に入れて店員の後ろの棚に積んであります。
自分の番になったから、カタログ見せて「このカメラを見たい」と言ったら、
「だめだ、先にカタログで買うか買わないか決めて来い」と高飛車に言うのです。
店員のフロアーが高くなっていて上から見下ろすのでなおさらそう感じました。
そういったことから秋葉原は世界の名所になったんだと思います。
心ゆくまでいじってながめてためして買うか買わないか決めていいんですから
まさに日本はショッピング天国です。(おおげさだけど)

嗅覚
3年まえ西荻北一帯が水浸しになり、我が家も床上まで泥水につかってしまいました。
1週間ぐらい被災地のようでしたが仕事から夕方の薄暗い中を近所まで帰ってきた時に、
消毒の匂いと泥カビの匂いがしてきて、子供のころ九州で経験した水害を想い出しました。
「災害は匂いだ」と感じました。
おそらく戦争や紛争地や災害地は匂いがすごいのでしょう。
匂わない映画やドキュメントフイルムからは情報の半分も受け取っていないんだと思います。

永くなったので今回はこれまで。
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 ■■■    葬儀屋の友人情報
 ■      人はいつ死ぬか?
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 天井張り職人を18年間やって、葬儀屋に転職した友人と先日、飲みました。
就職してまだ半年目なのにすっかり慣れた感じで、
「仕事が楽しくバリバリやっている」ということでした。
「葬儀屋がそんなに明るく元気に振る舞っていいの?」と聞いたところ、
「短時間で祭壇のセッティングや解体とけっこう重労働なうえ、
やることはたくさんあるのに遺族はボーッとなって何も手に付かない状態だから
気を使いながらもこちらが代わりにテキパキ動かないといけない。
機械的にやり過ぎてもいけないし、この兼ね合いが難しいが、
ほとんどの場合、よく動いてもらったと感謝される。」ということでした。
また、「週に一回は宿直があり夜中でも電話がかかってくる。
一番仕事が立て込むのが(つまり人が亡くなるのが)大潮(満月)の時期。」なんだそうです。
その時期に出産が多いとは聞いていたけど死ぬのも同じとは!!!
「例えば明け方とか死と時間は関係ある?」と聞いてみたら
「時間はあんまり関係がない」と言っていました。
「葬祭ディレクター」1級と2級(民間資格)あるそうで彼らはそれを目指します。
実施試験は例えば「幕張り装飾」「司会」「交渉実演」といったもので、
力仕事と心理仕事と幅広く奥の深い専門職です。

おまけ
 帰って大潮と満月の関係をしらべたら、
例えば大潮は27日、28日、29日、30日と続き、そのうち28日が満月という関係でした。
月の引力が海水が引っ張り盛り上がるのが満潮で、満月の時は地球の裏側でも満潮だそうです。
ふつう、満月は1ヶ月に1回です。ところがたまに月に2回、満月になることがあります。
この2回目の満月のことを「ブルームーン」と言って良い意味があります。
ダイハードのブルース・ウィリスが一躍人気者になった、
「こちらブルームーン探偵社」というシーズンドラマがありました。

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   ■   大統領選挙の
 ■■■   ネガティブ・キャンペーン
   ■   
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 相手候補者の欠点や弱点をついて、イメージを低下させ信頼を失わせる選挙戦術のことです。
ネガティブ・キャンペーンとかっこよく言っても、つまりは相手の悪口の言い合い。
あからさまに相手候補の悪口をいうテレビコマーシャルがメインです。
日本人は「大人げない・人格者じゃない・醜い・聞くだに恥ずかしい」と感じるので、
逆効果だからおおぴらにはやりません。
アメリカには多い比較広告テレビコマーシャルをやらないのも日本人の心情からです。

 大統領選挙の大詰めともなると、ネガティブキャンペーンが激しくなります。
とくに追い込まれているマケイン共和党側は相手の民主党のオバマのをこき下ろしを始めます。
「オバマがテロリストと陰でつながっている」なんてよく言いますね。
オバマもだまっていません。
今朝NHKのニュースで見たオバマ側のマケインこき下ろしテレビコマーシャルにはニヤリ。
最初1980年代のトピックスの映像が出てきて若い時のマケイン議員姿がオーバラップします。
ナレーション「彼はこんな昔から議院をやっていた。」
そして映像が今の時代に代わりコンピュータが映し出されます。
ナレーション「しかしあれから、30年が経ち、社会の様相が一変したのに、
マケインは、インターネットもやらないし自分のメールアドレスも持たない」と
男性ナレーターの恰好いい低音で説明します。
マケインがメールアドレスも持たないなんてどうやって調べたんでしょうか?
お互い散々悪口言っときながら、戦いが終わった後はニコニコ笑って握手して、
今度は相手を讃えたりするんだからアメリカ人って単純過ぎ。
例えば民主党候補指名争いでヒラリー・クリントンとオバマがさんざん悪口言い合ったのに、
今は味方同士に戻って、恥ずかしげもなく肩くんで讃えあっています。
日本人にはできない芸当です。


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