もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル281号
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■■■■■■■■■■2009年11月27日(火)発行
■■■■■■進む原田
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0・・・・・・・まくら
1・・・・・・・心理学における健康的な人格・・・2
        ヴィクトール・E・フランクル
2・・・・・・・ルバートエリスの健康的な生き方・・・その13
        健康な人は「現実的な努力」ができる
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■  ■   まくら
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●世界初 シーラカンス稚魚発見(11月16日 NHK)

福島県いわき市の水族館の調査チームがインドネシアの沖合で撮影したというニュース
体長が31.5センチといえば釣り上げたら大物ですが、
さすがシーラカンスで、生まれて間もない稚魚なんだそうです。
泳ぎもゆったり優雅で色も紫がかった濃いブルーで美しい。
しかし生まれたてと聞くと見た目にもかわいいです。
シーラカンスの稚魚は、今まで世界中の人が発見できなかったそうで、
やりましたね「アクアマリンふくしま」

●若者の高笑い

前回書いた、約80人の乾杯の顔の、ぐるなびのポスターの前で、
男子大学生か予備校生3人が大笑いしていました。
「これ誰々さんに似てない?」「うん似てる似てる」
と何度も言って、電車が来るまでずっと笑っていました。
色々あるかもしれないけど幸せな青春時代といえます。

●警官を励ますおっさん

今朝6時半すぎ、西荻駅横の交番前でへんなおっさんが、
なにかくどくど警官に言っていました。
若い警官も「もうわかったから」とうてあわない態度。
「にいさん定年までがんばれ」と言うのが3度ばかり耳に入ってきました。
駅員や警官はこの手のおっさんに迷惑しているそうですが、
おそらくこのおっさんは、自分が定年まで行けなかったことを、
残念に思っているのでしょう。

●溝に落ち葉を掃き入れるおばあさん

これも今朝の通勤途中の話。
70歳くらいのおばあさんが家の前の落ち葉を掃いていました。
その落ち葉を下水の溝の穴に掃き入れているのです。
「なんてことを・・・ドブさらいはだれがやるんだ!」と
見たらその家は急な坂の途中にあるから流れるんですね。
痴呆(認知症)か?とみたら動きはシャキシャキしています。
掃除ができる程度の認知症なら一般的な認知機能はほぼ保たれるといいますから、
やはりモラルの問題か?

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  ■     心理学における
  ■     健康的な人格・・・2
  ■     ヴィクトール・E・フランクル
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 前回の1でオールポートという心理学者が、
「これまでの心理学は健康な成人を扱ってこなかった」と批判したと書きました。

 今回、フランクルは精神の健康について何と言っているか書きます。
だいたい皆さん、内容は似ているといえば似ていますが、
言った人の経験と個性により、色付けがなされいています
同じ色を好むみ人が「まさにそのおうりだ」と飛びつくわけですが。

 フランクルという心理学者は、
健康な人は、自分のその責任において自由に選択し、
自らの生き方を決定する存在であるとしました。

 フランクルの『夜と霧』は有名です。
悩んでいる人、苦しんでいる人に力を与えてくれるお勧め本です。
『夜と霧』の原題は「心理学者、強制収容所を体験する」で、
第二次世界大戦中に、ユダヤ人としてナチ強制収容所に入れられ、
人権を剥奪され極限の環境で仲間がバタバタ死んでゆく中で、
九死に一生を得て生還した人の生きた言葉です。

 運もあるけど心身ともに健康な人が生き残ったわけですが、
自分の死を分けた体験と、心理学者としての観察と考察から、
「人間は生きるために意味を求め探究するものだ。」として、
人間の責任性と倫理性を重視する実存分析(ロゴテラピー)を提唱しました。
人間存在の本質には、精神性と自由と責任の3つの要素が含まれると考えました。
人間はいかに行動するかを選択する自由があるし、
精神的に健康になろうとするなら、その自由を行使しなければならないが、
それと同時に選択することの責任を受け入れなければならないことを主張しました。
選択する責任を受け入れられるためには、
基本的な信頼感(エリクソン)が備わっていないと不可能ですね。

 「自分の未来をもはや信じることができなくなった者は、収容所内で破綻した。
そういう人は未来とともに精神的なよりどころを失い、
精神的に自分を見捨て、身体的にも精神的にも破綻していったのだ。」
 「強制収容所の人間を精神的にしっかりさせるためには、
未来の目的を見つめさせること、つまり、人生が自分を待っている、
だれかが自分が待っていると、つねに思い出させることが重要だった。」
『夜と霧』(フランクル)より

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   ■      
   ■    アルバートエリスの
 ■■■    健康的な生き方・・・その13
 ■      健康な人は「現実的な努力」ができる
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 アルバート・エリス ウィンディ・ドライデン 1987
REBT入門 理性感情行動療法への招待
実務教育出版より

以下原文のまま
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(12)現実的な努力

 健康な人間は、ユートピアにはおそらく到達することができないものであり、
そして、欲しい物すべてを手に入れたり、
すべての苦痛を回避することはできないということを受け入れる。
彼らは現実的でない楽しみや幸福、完壁さを求めること、
あるいは不安、憂うつ、落胆、そして敵意を完全になくすような
非現実的な努力をすることを拒む。
(以上原文)
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同じことが
「アルバート・エリス人と業績」ヤンクラJ.・ドライデンW.(著)
國分康孝・國分久子(監訳) 1998 には以下のように表現されています

以下原文のまま
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(12) 非極楽願望

 心理的に健康な人は、
世界も他者も、自分も完全ではないことを受容している。
それゆえ自分が欲するものをすべて手に入れるような状況は
たぶんないだろうということを受け入れている。
また楽しみ、幸せ、完壁といったものや、
不安、抑うつ、怒りなどの心理的障害(しかしかなり人間的な)が
完全になくなるなどという非現実的な欲求はもたない。
にもかかわらず、心理的に健康な人は直面している不完全な状況を
プラスに換算する決意にもえるのである。
(以上原文)
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以下原田の感想

現実を受け入れる「軽い悟りの状態」ですね。
あるがまま、いまここでを受け入れる。
努力はするけど、できないものはできない、
欲しくても手に入らないものは入らない、
欲しいものが何もかも手に入るわけではない
あるいは完全な体の状態というのはなくいつもどこかが悪くて、
苦しくても治らないものは治らない・・・を受け入れる。
つまりユートピアは存在しないことを受け入れる。
「ユートピア」という言葉は、16世紀のイギリス人トマス・モアが書いた本の題名で、
ギリシャ語でウー(ない)、トポス(場所)を組み合わせた
「どこにもない場所」という意味の造語です。
「ユートピアがないことくらい知っている」と皆が言います。
しかし日常生活では「苦しみや不安があってはならない」という形で、
ユートピアを追い求めているんでしょうね。
「こうあってほしい」という極楽願望が人間の特徴だし、
社会の発展の原動力になってはいるのですが、
ほとんどの場合それが行き過ぎる傾向にあるわけです。
「こうあってほしい」が「こうあらねばならない」(怖い、耐えられない)
と変化します。今うまく行っている他人と比べるということもあるでしょう。
あるいは人間本来のもつ性質「こらえ性のなさ」があります。
こらえ性の無さは人の4特質の一つにもなっていて、
専門用語で「欲求不満耐性」Low Frustration Toleranceと呼ばれています。
「このところ私のLFTは底値をついている」と冗談で言ったりします。

先日、尊敬する精神科医の○○先生の講演会で、
「人事を尽くして天命を待つ」ではなく、
「天命を信じて人事を尽くす」だとおっしゃっていました。
この天命を信じるというのが、いわゆるエリスも到達したと思われる、
現実を受け入れる「悟り」なのではないかと考えます。
エリクソンの「基本的な信頼感」は「天命を信じる力」と同じと思うのですが。



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