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0・・・・・・・まくらのみ ////////////////////////////////////////////////////////////////////////// ■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ まくらのみ ■ ■ ■ ■ ■■ ●多めのつぶつぶ 毎日仕事帰りに駅のホームで飲む「大納言しるこ缶」の つぶつぶ大豆がいつもより多く入っていたのでラッキー。 しかし考えてみればつぶつぶの量は機械で計って均等なはずです。 天気が良く暖かい夕日のせいでそう感じたのでしょう。 ●力士 総武線に相撲の力士が乗っていました。 大相撲正月場所の取り組みに両国に向かっている様子。 「それほど大きくないな」といつも感じるのですが、 今回、真後ろから見たら普通の2倍近く幅がありました。 1時15分に四谷を通過する電車通勤ですから、 まだ関取りじゃないでしょう。 昔京王プラザホテルで見た「曙」をデカイと感じたのは、 横綱だからそう見えたのでしょう。 ●おいしいとこだけ!一番ドリップ アサヒのワンダー一番ドリップの社内ポスターが出ていました 缶の部分だけが4センチばかり飛び出しています。 プラスチック成型で盛り上がっているポスターはよくみかけますが、 完全に飛び出したところはどうなっているんだろうと下から見上げたら、 間に箱がはさんであってご丁寧にも1番ドリップと縦に印刷してありました。 見えないところも手を抜かない・・・さすが日本人。 それにしてもいつも思うのは、 一番ドリップにしても、一番搾りにしても、 二番ドリップ、二番搾り以降はどうしているんだろうということです。 捨てるなんてことするわけないし、 他の商品にたとえば「芳醇の、成熟の」という言い方で 使われているとしか考えられません。 ●デザイン理論って? デザイナーは感覚商売だから理論とは遠い関係です。 ・・・とずっと永いこと思っていました。 しかし最近後輩を指導したり顧客を説得したりする際に、 気が付いたらずっと同じことを繰り返しているので、 「ああまた同じこと言っている、歳とって頑固になったのかな」と 自分でもいやになったり不安になったりするのですが、 繰り返していることが有用であるのなら、 「頑固」も、永年の経験からえた「信念」と昇格するわけです。 その繰り返される部分が増えて、まとまってくれば、 理論らしくなるのかなと思ったりします。 理論を意識しだしたのは心理学の勉強をはじめてからです。 授業で「この現象を誰々の理論で説明しろ」という課題がでたり、 修論では「誰の理論を元に書いたのか」と言われました。 「これが科学の世界か?窮屈だな」と感じました。 慣れてくると、まずそのことを説明する理論を探す習慣がつきます。 理論は、先人の研究が活かされ、暗い道の街灯です。 理論重視の姿勢は自分の意見を言う際に慎重になります。 しかし、理論漬になると理論で証明されないあやふやさが怖くなり、 自由な発想がしぼみそうです。 学問が人間を小さくするというのはこういうことを言うのだろうと思います。 でも理論は便利で安定感をもたらせ、なによりも説得力を持ちます。 私が言ったんじゃ、理論じゃないんですね。 フロイトみたいな有名な学者が考え、実験などである程度証明し、 多数の人が感心して納得したら理論です。 理論を考えたときは有名じゃなくても、理論として認められたら、 「誰々の何々理論」と呼ばれるので、結果的に有名になるのですが。 学者は死して屍を残すのではなく、死して理論を残すもののようです。 理論は教科書では一つの数式あるいは5〜6行で表されるわけですが、 背景には膨大な実験と資料があり一冊の本にまとめられます。 たとえばダーウィンの進化論は1859年に出した「種の起源」です。 デザインの理論を作る デザインの理論はほとんど聞いたことがありません。 どこかにあるのでしょうが勉強不足です。 デザインの価値観が常に動いているし、依頼者(素人)が正解を決めるから、 理論を振り回さなくてもスケッチ1枚で済むという面があります。 でもそれだと経験や技術や説得力を効率よく継承できません。 デザイナーもいつも何か考えてはいるのだからそれを まとめれば理論らしくなるかなと思ったりもします。 「地動説」や「進化論」のような世界を揺るがす大理論じゃなくてもいいのです。 普通の理論はほとんどが「部品」です。 オーストリア人のローレンツはガンが最初に見たものを親と思うということを、 理論化してそれでノーベル賞です。刷り込み(imprinting)という部品です。 例えば「デザインプレゼンテーションにおける第一印象と第二、第三印象の 好感度の推移について」といった理論だったら、ある程度の仮説も立っているし、 実験方法(証明方法)も考えられるのですが・・・面倒くさいから今は言うだけです。 ●「森林の仕事ガイダンス開催」 林業の仕事と会社説明会のポスターが電車内にありました。 アキバ・スクエアで2月5日(金)と6日(土)行われました。 ヘルメットかぶった人の良さそうな若者の小さな写真もありますが、 各職業名の文字が絵柄の主役です。 職業名の組み合わせが面白かったのでメモってきました 元教師、元大工、元測量士、元システムエンジニア、元法律事務所職員、元OL、 元アパレル業界、元板金工、元ダンサー、元造園業、元ホテルマン、元フリーター、 元作業療法士と以上です。 だいたいこういう方々が林業に興味を持たれると林業組合は見たようです。 面白いのは同じ専門を表す「し」でも 教師の「師」、測量士、作業療法士の「士」があります。 医師も「師」ですが、さすがに林業には転職しないんでしょうね。 「師」と「士」の違いはなんでしょうか? 庭師、漁師、美容師、鍼灸師、に対して、建築士、看護士、測量士、作業療法士 と差が判りにくい。 それに庭師、漁師、以外は国家資格があり、どれも取得が難しそう。 アパレル業界 元造園業の・・・「業」は資格試験はありませんが、 そのかわり競争が激しく不安定ではあります。広告業、印刷業もそうですね。 元システムエンジニアやホテルマンやフリーターという横文字職業は、 デザイナーといっしょで頼りない呼称です。 時々不思議に思うのがカラーコーディネーターという資格。 デザインという商売を何十年としていて、カラーコーディネーターという人種に 出合ったことがないのですが、どういうところで生存されているのでしょうか? 元板金工という「工」はたたき上げという安定感はありますが、 業界の再編に影響されそうで不安定感は大です。 陶工、刀工は芸術家だから別格か。 音楽家、漫画家、落語家、建築家という「家」もあります。 林業の中にも「林業技士」「土木施工管理技士」「森林情報士」とか いろんな「士」があるようです。 自分の天職に出合うまでいくつか仕事を変わることはしかたないと思いますが、 3つ目の仕事からは、そこに3年間は留まること とをお勧めしています。 ●共感する力 「共感力」といって共感が大事だとい言います。 共感できない人は冷たい人と呼ばれます。 共感というのはただ同情して相づちをうつことをいうのではなく、 正しく理解してそれを伝え返すことことだと臨床心理学の本に書いていあります。 『ウィキペディア(Wikipedia)』には 共感(Empathy)とは、他者と喜怒哀楽の感情を共有することを指す。 もしくはその感情のこと。たとえば知り合いがつらい表情をしているとき、 相手が「つらい思いをしているのだ」ということがわかるだけでなく、 自分もつらい感情を持つのがこれである。 通常は、人間に本能的に備わっているものである。 共感性がたとえば友情を生み出す。 友人になったきっかけは、「何となく」であることが多いが、 「何となく」の本性は、共感性である。 以上ウィキペディア(Wikipedia)』からですが いいこと書いてあります。 「共感力」は共感する側の器しだいです。 司馬遼太郎の本では、臆病で勇気がある人が英雄の条件ですが、 複雑で繊細でいて心の余裕を保っている人、 それに高性能のセンサーを備えていることと、 困った相手と関わりを持つという覚悟を持っている人が 共感力がある人だと言えます。 ●前回まくらの「刺身の細切り大根」に関して、 食のコンサルタントの○○さんからメールいただきました ----------------------------------------------------------------------------------- 以下○○さんのメール まず、刺し身を食べます。 擦った本ワサビなら、ちょっと刺し身に直接付けてから、醤油を付けます。 こうすると、刺し身の味がぼけないし、ワサビの香りもいいんです。 こうしていると、下の大根が次第に現れてきます。 いい刺し身なら、ドリップが落ちないので、大根はしゃっきり白いままです。 そこで、醤油を、ちょっとだけ垂らして、大口開けて食べると、 大根の美味しさが口の中いっぱいに広がります。 美味しいですよ〜〜〜! 口の中さっぱりしたら、再び次の刺し身に取り掛かります。 さて、次はどの切り身にいこうかな〜〜〜 安物の刺し身の場合、ドリップが(要するに血が)大根に落ちて、 ぐちゃぐちゃになってしまいます。 刺し身も美味しくないし、大根なんかべたべたで、 こういう刺し身はワサビも安物です。 こういうのを食べるのは、人生の無駄ですから、最初から選ばないことです。 以上○○さんのメール ----------------------------------------------------------------------------------------------------- 原田の感想 やはり大根は飾りじゃなかった。 何でも意味のないものはないんですね これから高い刺し身を買って大根まで食べます。 今まであのうっすらと赤い色が嫌だったんだと気が付きました。 それにしても「安物の刺し身は人生の無駄」なんて言い切る ○○さんの文章から、食を楽しんでらっしゃるのが伝わってきます。 ●山田理英さんの書棚 亡くなられた有名な広告ディレクターの山田さんの書棚を見る機会がありました。 広告やデザインやCIの本を何冊も出された大先輩ですが、 生前にお会いする機会は一度もありませんでした。 書棚が10ありそのその一つが心理学の本で埋まっていて親近感を覚えました。 2007年に『脳科学から広告・ブランド論を考察する』を評言社から出されています。 知りませんでした。 アマゾンに読者の批評があってそれが厳しいのでビックリ。 -------------------------------------------------------------------------------- 以下書評から、 書き出しの「一般向けじゃない。読みづらい。・・・ ・・・業界紙での連載だったのか?と思うような、妙な半端さが鼻につく。・・・ 広告、宣伝、戦略、測定に、「脳科学」はこう言っているから 「脳科学」に従えば違う話が見えるんじゃないか、 といろいろああでもないこうでもない、とむやみやたらに話を試してみるのだが、 いかんせん著者は脳科学素人のアートディレクターさん。 論理よりは感性の人だからか、説得力や論理的帰結より「ひらめき書き」が強めに出る。 一言で言うならば、【おぼつかないが貪欲】な本。貪欲さはスゴイと思う。」 以上書評から -------------------------------------------------------------------------------- きっとこれを書いた人は脳科学の専門家なのかもしれませんが、 なんだか自分が言われたような気がしてドキリ。 「自分の本のもどこかでこういう批判を受けているんだろうな。 自分の本の書評を読むのは絶対にやめよう」と思いました。 学者同士は結構こういう厳しいやり取りしますね。 お互いけなしながら磨いていくところがあります。 いかんせんこちらは素人のデザイナーさんですので傷つきやすい。 学際にチャレンジしている人はプロから見たら素人かもしれないけど 新しいアイデアが含まれているはずだと、もっと暖かく優しく見て欲しいものです。 ●おからを捨てているという話 友人が無農薬の八百屋さんをしているのですが、 国内産フクユタカ大豆を原料にしている豆腐屋さんが、 「おから」をなんと有料で産業廃棄しているんだそうです。 昔はどこもおからを食べていましたが変わったんですね。 友人は犬のエサ用に送ってもらっているそうです。 ●日本のその幼稚さがパワー 今年の成人式で配られた選挙啓発DVD「うるまでるびのGO!GO!選挙」を YouTubeで見て、その幼稚さにビックリ。完全に幼児向けの作りです。 「この国の行く末が不安になってきた」「これ はひどい」 「これ、成人向けだからな」と若者が反応しました。 作らせて配ったのは「明るい選挙推進協会」。 批判に対して「そう思う若者が多いのは心強い」と、 うまいこと言って切り抜けたつもりでしょうが・・・・ きっと製作段階で「幼稚なのでは」という意見があったと思いますが、 「いやこのくらいわかりやすくしないと見てもらえないから」と 誰かがごり押ししてその時に「幼稚だという批判が出たらこう答えよう」と 話し合っていたのではないか?と勘ぐってしまいます。 いいじゃないですか幼稚なら幼稚でも。 たしかに世界レベルから言えば、日本の若者は幼稚なんだから。 平和が続いていることもあるし大人が子供に甘いということもあります。 しかし、この幼稚さが日本のパワーになっています。 幼稚さが日本を世界が注目するサブカルチャー化して、 その活力でマンガ・アニメ・ゲームを輸出していて、 世界の憧れ、メイドインジャパンの工業製品に新しいアイデアを付加してゆく。 幼稚さがカメラもクルマも時計も電子機器も本家を追い越してしまったのです。 マンガ・アニメ・ゲームの世界発信で、特に世界の若年層に、 日本のイメージがどれだけ高くなっているか? 広報費に換算したらその金額は計り知れないでしょう。 幼稚国家日本として、大人も幼稚さを維持したらいいと思います。 ==================================================================== 購読申込・購読中止は以下で可能です。購読は無料です。 http://www.praxcis.co.jp/deja/ ==================================================================== メールマガジン「週刊デザインジャーナル」(mag2 ID=0000014473) 発行元:プラクシス株式会社 http://www.praxcis.co.jp/ 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ 発行者:進む原田 susumu@praxcis.co.jp ==================================================================== ・・‥……………………………… (c) 2010,Susumu,Harada ……………………………‥‥・・ 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp) |