もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■「デジャ」
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■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル297号
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■■■■■■■■■■2010年8月18日(水)発行
■■■■■■進む原田
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0・・・・・・・まくら
1・・・・・・・むごたらしい悲惨な世界をなぜ神は見逃すのか
2・・・・・・・日本航空のシンボルデザイン
3・・・・・・・言い訳手帳の勧め

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■  ■   まくら
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●高円寺の笛の音

 高円寺駅の発車ベル音が、この時期だけ阿波おどりの笛の音色に変わります。
またまた高円寺の阿波踊りの季節がやってきたのです。
毎年8月最終土、日の2日間開催だそうです。
通勤途中の部外者でさえ高円寺駅はお祭り世界ですから、
地元はすでに浮わついていることでしょう。
笛の音は浮かれ調子だけど、けっこう物悲しい音色に聞こえたりします。
私は、蒸し暑い祭りの夜の光が届かない暗闇を連想するのですが。

●バットの木を使ったボールペン

 高校野球の真っ最中です。
「暑い中よくやるよ」と冷房が効いた部屋でビール片手に見る楽しみがあります。
時々、ゆるんだ気持を内側からビシッとしてくれます。
ウイスキーのモルト樽で作られたボールペンや万年筆を持っていますが、
今度は、野球の木製バットの端材を利用したボールペンの発売が、
3日の日経の広告で出ていました。
アオダモという木で、バットを作る太さになるまで、80〜100年もかかるそうです。
「Just Meet」という名称と、
「天然素材を使用しているため木目や色味等が若干異なる場合があります。」
という売り文句と合わせてナイスです。
あれから日経で3回も同じ全4段サイズの広告を見たので、
よほどマーケットの食い付きが良かったということなのでしょう。

●運転免許の切り替え

 警察からハガキが来たので見たら、運転免許切り替えの案内でした。
前回、目の検査で難儀したことをメルマガに書いたばかりなのに・・・・早過ぎる!
切り替え条件には4段階あって、違反をした人しなかった人で場所も講習時間も違います。
一番偉いのは無違反のゴールド免許者で優良運転者と呼ばれ30分講習で済みます。
私は車線変更違反1回(軽微違反)で一般運転者と呼ばれ60分講習です。
違反運転者になると2時間講習になり場所も遠くの教習所になります。
前々回が、駐車違反を2〜3度やったので2時間説教くらいました。(教えていただきました)
70歳を超えて、75歳未満の人は3時間講習。ゆっくり丁寧に教えていただけるのでしょう。
75歳超えたら2時間半の講習と30分の調査(検査?)があります。
それにしても、切り替え手続きはこれ以上合理化がないだろうというくらい、
一番窓口、はい次2番窓口と目まぐるしく人を裁いてゆきます。
最近は証明写真も一連の流れの中に組み込まれていて、
写真の品質も優れていると講習の時に教官が自慢していました。

 前回メルマガに書い時は、網膜剥離の手術の直後で、
安定するまで眼鏡を買うのを待つように医者に言われていました。
像が歪んでなかなか見えなくて、警察官の温情に救われましたが、
今回は眼鏡も合わせて臨むことができましたが、不安でした。
目の検査はどうにか一発合格。
しかしです。
私のは大型免許だから3本線の遠近力テストがあるのですが、
その3本線が前回に比べて約半分に小さく(遠くに)なっていたのです。
3本線が重なった時点でボタンを押すのですが、
「早過ぎます」「おくれました」の連続でなかなか赦してくれません。
前回と違って検査官が真面目そうな若い女性で見た途端に嫌な予感はしたのですが・・・
冷や汗かきながら何度もやり直しして、最後なんとか合格したのですが、
もう次回は元運転手の名残で保持してきた大型は返上することになるでしょう。
法改正で変更がありました。
私のような軽微違反1回のみの一般運転者も、
ゴールド免許なみに5年間と有効期間が長くなったことです。うれしい。
プラス、新たに中型免許というのが出来てて、これまでの普通免許は、
切替時にそのまま中型免許になるのだそうです。
中型免許で、5トン以上11トン未満トラックと、
乗車定員11人以上29人以下のマイクロバスが運転できるので、
このままの免許で運送会社の運転手がやれそうです。

●進化する証明写真

 免許証の切り替えに写真はいらなくなりましたが別の用件で証明写真を撮りました。
これまであちこちで何ヶ所か撮りましたが、JR四谷駅の四谷口の機械が一番綺麗に撮れます。
1セット700円ですが、100円余計に出すと美しくとれるというので試してみました。
「コンシーラー効果・美肌仕上げ、800円」で、たしかに悪くないです。
光を強く当ててハイキー(白っぽくすること)にして、
ソフトフォーカス(ピントを柔らかくすること)にして、それだけじゃ白くとんでしまうので、
肌色だけを際立たせる、といったプリクラに近い修正処理が自動的になされているようです。

●学生のボランティア活動

「四割の大学 授業に採用」(6.25日経)
1995年の阪神・淡路大震災をボランティア元年とよばれていますが、
四川省の地震の被災地へのボランティア活動で、各国のボランティアが引き上げたのに、
日本のボランティアだけが残って活動をしているのをテレビで観て、
なんでも一生懸命に取り組んで精緻化する日本の良いところだなと感じました。
日本にも昔から「奉仕活動」はあったのですから、
ボランティア元年という言い方に抵抗があるのですが、
「ご奉仕」という名目で学校が取り上げるか?ということもあり、
まあ言い方は「ボランティア元年」でもいいかってことで・・・・
学校が授業にボランティア活動を取り入れ始めて、
2008年度時点で315校でまだ増え続けているそうです。
先日防災のセミナーが行われた立教大学にもボランティアセンターという名のビル群があり、
土日も外部に解放していて、さすがミッションスクールと感心しました。
どこかでボランティアに参加したという証明書を持ってきたら単位を認めてやるというのは、
外国の学校では以前から行われていたことですが、日本でもそうなりつつあるのです。
若い間に、例え半押し付け的であっても、無償で人の役に立つ経験をとおして、
「ちょっとの我慢を超えたところに何倍もの喜びがある」という体験、
つまり「ボランティアの味をしめる」ことができたら、とても意義あることだと思います。

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  ■    むごたらしい悲惨な世界を
  ■    なぜ神は見逃すのか
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 御盆休み中に、新宿西口駅前の地下を通ったら、
「平和祈念展示資料館」が出張してきて戦争写真ビデオ展示をやっていました。
一番印象に残った写真は、朝鮮から引き上げる直前、乗船を目前にして死んだ、
母親の枕元でじっとしている幼児の写真です。
この子供が生き延びていたら67〜8歳の年齢でしょう。
「人間は馬鹿だから、50年周期で馬鹿な指導者が出てきて戦争を始める。歴史がそうなっている。」
と、高校のクラス担任の先生が話していましたが、
幸いなことに日本での次の戦争は私が生きている間は起らないでしょう。
理由の一つとして、共感できる程度の生々しさで語り継がれる映像の発達があると思います。
音響映像の再生と伝達技術の発達で、戦争は回避(延期)していけると願っています。

 それにしてもわからないのが神様、仏様、ご先祖様、お稲荷様、お天道様のなさることです。
仏様は慈悲深い方で、ご先祖様は我々をあの世から見護ってくれるというし、
神様は人間を愛しているはずなのになぜむごたらしい戦争を見過ごすのか?
あるいは幼児虐待、災害、事故、病気といったことも・・・・
・・・・とずーっと疑問に思っていながら、納得を先送りしていました。
幸いなことに私自身がむごたらしい目に合わなくて済んできたということもあります。

 先日「天使と悪魔」(中)ダン・ブラウン・角川文庫を読んでいて、
目からウロコが落ちた(気に)なりました。
まさかこんな娯楽本から永年の疑問の答えが得られるとは考えてもみませんでした。

 ヴァチカン市国内で護衛をしているシャルトラン少尉が、
カメルレンゴ神父と散歩途中で、神父に質問します。

 「この世界には悲惨な出来事が起こります。
人間の惨事は、神が十全の力と善意を両方とも持っているわけではないと証明しているように思えてなりません。
もし神がわたしたちを慈しんでくださり、そのうえ、事態を変える力をお持ちであるなら、
わたしたちの苦痛を未然に防いでくださるのでは・・・どうも、全能なのに冷淡か、慈悲深いのに救う力がないか、
そのどちらかとしか思えないのです」
・・・・
「少尉、お子さんは?」シャルトランは顔を赤らめた。
「おりません、シニョーレ」
「8歳の息子さんがいると想像してごらんなさい・・・息子さんを慈しみますか?」
「もちろんです」
「自分の持てる力をすべて傾けて、息子さんが人生で感じるであろう苦痛を防ぐ意志がありますか?」 「もちろんです」
「スケートボードに乗るのを許しますか?」
シャルトランははっとした。
カメルレンゴはいつも、聖職者にしては奇妙なほど"近い人"に感じられる。
「ええ、たぶん」そう答える。
「許可すると思います。ただし、気をつけるようにと釘は刺すでしょうが」
「すると、あなたはその子の父親として、役立ちそうな大まかな助言を与えたあとは、
子供の自由にさせてみずから失敗をさせるわけですね」
「後ろに付きまとって過保護に育てたりはしませんよ」
「けれど、もしその子が転んで膝をすりむいたら?」
「それを機に、本人がもっと気をつけるようになるでしょう」
カメルレンゴは微笑んだ。
「つまり、口出しして子供の苦痛を未然に防ぐ力をたとえ持っていても、
愛すればこそ、子供に体験から学ばせることを選ぶのですね」
「当然ですよ。苦痛は成長の一部です。わたしたちはそうやって学びます」
カメルレンゴはうなずいた。
「そのとおりです」

以上、天使と悪魔(中)303ページより

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 ■■■    日本航空のシンボルデザイン
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 日本航空の「丸に鶴のマーク」が復活するかもしれないと日経に出ていました。
新聞に載るくらいだから、とっくに内部では切り替え準備が進んでいることでしょう。
当時、鶴のマークを止めると言った時に「あんな良いデザインを?」と思ったのですが、
有名な墜落事故で尾翼に残っていたシンボルでイメージダウンしたということでした。
シンボルにとっても災難だったわけです。
しかし今度は現在のシンボルが、経営危機の記事が出るたびに、
本社壁面の現在のシンボルのアップがアイコンのように載ります。
私も以前、外務省から依頼されて作った東京経済サミットのシンボルで、
「結び目がこんがらがって・・・」と風刺漫画家にシンボルで遊ばれて
嫌な思いをしたことがありますが、
日本航空の現在のシンボルをデザインしたデザイナーは気が気じゃないでしょう。
現在のシンボルはJALのAの横棒が回転しながら右斜め上に上昇していくデザインですが、
飛行機・・・躍動感・・・上昇というキーワードでデザインすると、
当然、安定感の方はなくなります。
そうなると事故や経営危機の時は裏目に出て皮肉られるわけです。
これはシンボルの宿命でもあります。
そういった意味では「丸に鶴」の家紋的なシンボルは、伝統感・安定感・普遍性が備わっています。
しかしもっと大きな見方をすれば、何か起きる度にシンボルをコロコロ変えるというのは、
道具性が増すことになり、象徴性は薄れる一方になります。
したがって今回、元の旧シンボルに戻すことは悪くない選択だと思います。
しかしジャンボ一機の塗装費用一億円とも言われているその切り替え費用を今時捻出できるのでしょうか?

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 ■■■   言い訳手帳の勧め
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  以前にも書いた、ホームレスの人が路上で売っているマガジン「ビックイシュー」の、
「ホームレス人生相談」はなかなか面白いです。
なにしろホームレスの人が答える人生相談ですから、
「わあ、まるで僕のことを 言われているのかと思ったよ(笑)。」といった書き出しで、
どんなに上からの物言いでも、読者にすれば横から目線でとても受け入れやすいのです。
前回の148号のは面白かったです。
「やるべきことでも、期日が決まっていないものは、ついつい先送り。
期日が決まっているものは、期日ギリギリにならないとできません。」(女性/40代)
という相談に対して、
「言い訳を先に考えるからだよ」と、まともな返事。しかし、
「そういえば、子どもの頃にオヤジに「言い訳は最大の弁護士」とよく言われたよ。」
というのが残りました。
「以前、テレビで見てこれはいいと思ったのが、手帳を活用すること。
しなくちゃいけないこと、したいことを拾い出して手帳に書くんだ。」と、これもまとも。
しかし、「僕も早速手帳をつくって実践中だよ。その名も『弁護士手帳』。
思った通りにならないこともあるけれど、やった通りにはなるもんだよ。」
なんてのはすばらしい。

 そこで閃いたのが「言いわけ手帳」。
やるべきことの横に最初から言い訳を併記しておき、それを時々定期的に見ます。
そうするとやらなかったことと言い訳がたくさん残るのでそれを見ながら
「これらのことを自分は言い訳どおりやらなかったけど、
こうやって生きている。ああ、ありがたいことだ。」
と、無事と安全と平和をしみじみ味わい喜ぶのです。こちらが膨らめば達成感なんて小さくなります。
友人や家族と手帳を見せあって、どれだけ言い訳が実行できたか競っても良いでしょう。
この手帳のメリットは自分にはテーマがあってやりたいことがたくさんあるということがわかることです。
それでいて、実行できなかった罪悪感がなくなるので、逆に計画は膨らむかもしれません。
「あなたは悪くない無実です」「あなたがやったことは無理もないことです」
というのが弁護士の仕事ですから、名称は「弁護士手帳」のままでもいいですね。
100に1つでも言い訳を忘れて実行してしまったら、それはそれで損にはなりませんから。







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