もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■■■■■■2011年3月21日(月)発行
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目次
0・・・・まくらのみ


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■  ■   まくらのみ
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●地震と津波のお見舞い

皆さんは大丈夫でしたか?
大丈夫じゃなかった方、心よりお見舞いとお悔みを申し上げます。
行方不明者が2万人も・・・ただ事じゃないです
「帰宅困難者となって帰りつくまでたいへんだった」という文章を地震直後に書いて
送ろうとしていたら、次々に入ってくる情報が、ただごとではありません。
被災者の生の声が聞こえてきたら、もう出せなくなってしまいました。

 前回のメルマガの「私の線路上の恐怖体験談」で、
怖い思いをした人は早い段階で誰かにその体験を話すことが、
トラウマから逃れるのに有効だと書きました。

しがって、被災者はなるべく早く体験を人に話すことです。
その場合、話す方も聴くほうも、
REBT(認知感情行動療法)でいうABCをセットで話します(聴きます)。

Aは、体験したこと、
Bは、その時に考えたこと
Cは、感じたこと(気持ち)と、そのときにとった行動です。

男性はAの体験は話しますが、
「男は泣き言を口にすべきではない」という文化が背景に残っている場合、
Cの「気持ち」は口にしません
そこで聴くほうは、Bの「その時に考えたこと」をたずねてゆけば、
「俺の人生もこれで終わりかと思った。家族が気になった」の後に
「恐怖が襲ってきた」という「気持ち」も話される率が高くなります。

 泣けたら一番いいのですが、
「怖い思いしたくらいで男は泣けない」から、それだけ後に残ることになります。
さすがに妻と子供と孫と家をいっぺんになくした消防団員の男性はカメラの前で泣いていました。
多くの男性が「情けない、悔しい」(家族を護れなかったことが)を口にして
「悲しい」とは言っていませんでしたが、涙と沈黙が悲しいと言っていました。
家族をなくした人は自分を責めるものですが、そのことも言葉にして他人に話すことが重要です
男でも「まいった」して、他人の助けを求めることです。
聴いてくれる他人が近くにいない人、
あるいは先ほどの消防団員のように役割でそんなヒマがない人は、
人の怖かった話を聞くのも自分のトラウマ軽減に有効です。
あるいは文章に書いて誰かにメールすることも有効です。

 コミュニティー心理学では、被災者の心の変化を三段階に分けています。
1.茫然自失期 
2.ハネムーン期
3.幻滅期を、たどると言われています。
家族や家をなくした被災者の多くが、まだ「茫然自失期」でしょう。
次のハネムーン期は、皆の助けや励まししを得て、
「自分は一人じゃない、世界中が心配して慰めてくれている」とハイになる時期です
マスコミやボランティアはこの空気を作ることにも貢献しています
「幻滅期」から見たら、悲しみから逃れる麻酔を社会に打つ効果を発揮します
我々のような直接巻き込まれなかった者の
「気の毒だ、直接助けれなくて申し訳ない」気持を軽減します。

 そして最期に真に辛い「幻滅期」が訪れるといいます
マスコミはこの話は一段落したかのように、他のニュースを流し始め、
ボランティアが次々に去ってゆき、後に残された被災者たちの孤独感です。
このことは阪神淡路大震災の被災者が話しています

 しかしこれで終わっては救いがありません
事実はそうではないはずです
阪神淡路大震災の被災者も今生きていて、
それなりの哲学と笑顔と生活をとりもどして、今回は援助者側になっています。
幻滅期の後は何か新しい人生に対する枠組みを獲得して生きてゆくことになると思います。
だから
1.茫然自失期
2.ハネムーン期
3.幻滅期
の3段階で終わらせるのではなく、調査分析研究すれば、
4段階目の、「納得期」あるいは「再生期」という段階があるに違いなく、
その段階を新たに付け加える必要があると思います

これは、コミュニティー心理学者に対する反論と提案です

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