もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■「デジャ」
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■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル312号
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■■■■■■■■■■2011年8月26日(金)発行
■■■■■■進む原田
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目次
0 ・・・・まくら
1 ・・・・・・不快指数と新ビジネスアイデア
2 ・・・・・・放送授業のアイデア
3 ・・・・・・成熟商品にもアイデアの余地

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まくら
皆さんお変わりありませんか?
朝晩がだいぶん涼しくなりました。

 今年の夏は節電もあり「こんなに世の中暑かったのか」と特に暑く感じました。
まだ夏は終わってませんが・・・
ヤケになったり面白がったりして節電グッズを色々試してみました。
濡らして首に巻くバンダナは、・・・・首回りが気持ち悪かった。
首からぶら下げる携帯扇風機は、・・・・音がうるさい。
霧吹きとセットになっている携帯扇風機は、・・・・持ち運べない。
冷蔵庫で冷やさなくてよい氷枕は、・・・・かえってぬるくなった。
打ち水の原理を利用した冷風機も買ったけど・・・・風量が違うから扇風機の方がまだまし。

そして結論!
湿気まで取ってくださる、クーラーさまにはかなわない!

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  ■    不快指数と新ビジネスアイデア
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 暑いのは気温もあるけどむしろ湿気なんですね。
以前、毎日、新聞・テレビ・ラジオで発表していた「不快指数」を全く聞かなくなりました。
ちゃんとした不快指数の計算式があり、いまでも日本気象協会からネットで発表されています。
例えば、気温27℃ 湿度55%で不快指数75で、人口の一割が不快になります。
気温29℃ 湿度70%で不快指数80で国民全員が不快になります。
不快指数が5上がるだけで10%から100%に国民の不快が跳ね上がるから、
外国のある地区など暑くなると暴動が起きたりするわけです。
日本は熱射病の多発と、反対の出方をしていますが不快の結果にはちがいありません。
クーラーが完全普及していない時の不快指数発表の意図は
「今日は不快になるのが当然の暑さです。イライラしないように気をつけましょう」だったのか?
不快指数を言わなくなったのは不快指数75から80に上がるのをクーラーが抑えてくれるからでしょう。
「こう暑く不快だったらに逸脱行為も当然だ」という人もたくさん出てくるから、
日本の平和のためにやはりクーラー分の電力は確保して欲しいです。

●新ビジネスアイデア
 ここから余談ですが(っていうかこのメルマガ自体が余談の塊ですが)
この暑さの中で私はすごいビジネスモデルを考え出しました。
「一瞬冷却体験ビジネス」です。
街中でテントを張って中に冷風の吹き出し口が上を向いているクーラーを並べます。
その上にお客さんを座らせ15分で200円いただきます。
冷蔵庫で冷やしたおしぼりをサービスで出します。
ただそれだけです。
会社訪問して人が来るのを待っている間、応接室が冷えてなくて、
あんまり暑かったので床置きクーラーに座った時にこのアイデアが閃きました。
炎天下の中、強烈な冷風のふき出し口の上に座ってごらんなさい。
はーーーつと声が出る至福の時で、体も服も芯から冷えます。
地下鉄のホームの冷気送風口の前を通るときの幸福感です。
5分もすればもとのように暑くなりますが、
その強烈な体験が「生きていればこいういう快感も味わえるんだ」
「涼しい秋が来るんだ」とまた頑張る気が起きるじゃないですか!
昔は「かき氷」を食って口のなかがジンジンして体が冷え、似た気持になれました。
来年、だれかこのビジネスを始めてください。
それまであんまり人に言わないほうがいいですよ。

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 ■■■    放送授業のアイデア
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 人間総合科学大学で教え始めて4年目になりますが、
先日「授業を実験としてビデオに撮りたいが」と聞かれました。
「急に言われても困ります」と言ったら取り下げてくれました。
私の授業は脱線の連続だから撮られたら困るんです。
自分で「ひらけぽんきっき」「セサミストリート」の大学版だと言ってるぐらいですから。

 理詰めでゆくには短時間すぎるし、たくさんの内容を伝えたいし、
理想とされている、生徒とのやり取りで進めるには、生徒数が多過ぎます。
だからいろいろ刺激話をつないでいって飽きさせないというやりかたです。
上記の幼児番組もぱっぱっと話題を変えて飽きさせないように作ってあります。
日本デザイナー学院や多摩美術大学の夜間で教えた経験がもとになっています。
美術学校の生徒は理屈がきらいだし、大学も昼間仕事している人が多く、
社会人脳のままの上、土曜の夜の晩飯の後の授業ですから、ただでさえ眠いはずです。
眠らせない工夫を重ねたらそういうスタイルになってしまったのです。

 ただしこの方式の欠点は「眠らずに聞いてたけど結局なに教わったんだっけ?」となることです。
そこで今は「試験対策としてこことここをしっかり読んで理解しておくように」と、
「重要なポイントをこっそり教えてあげるよ、得したね」という雰囲気で話したりします。
ライブの分、内容は荒く、「がさつ」なります。
「がさつ」は「そこつ」につながり、不適切発言の確率も高くなります。
特にデザインとは違って、今教えている産業心理学は、臨床系の要素も含まれるので、
不適切発言は罪が重くなります。
あとでビデオを見たら「なんて馬鹿なこと言ったんだ」と自己嫌悪と罪悪感にさいなまれるに違いありません。

 放送大学はその反対の極にあります。放送だから減点主義です。
授業の内容が、本屋で買うテキストト同じセリフですから、
まじめで無駄のない間違いもない、論理展開していく授業の見本です
以前、日本カウンセリングカレッジの生徒の時に、
本を何冊も書かれた売れっ子の名物教授がいました。
授業中、人まねしたり奇声を発したり迫力があって面白かったのですが、
その先生が放送大学で何回か講義されたときは別人のようでした。
しかし講義の内容はそのまま後で小冊子になり出版されました。
 
 放送だから内容を間違えてはいけない、
決った時間内に決められた内容を入れなければならないとなると、
どんな記憶力のよいベテランの先生でも原稿(台本)を読む形になります。
だから教授の顔も固まったままで内容も固くなる。どの授業もくらいです。
バラエティ番組にも精巧な秒刻みの台本(ジョークも含まれた)がありますが、
自然に振る舞えるのはプロの芸人だけです。
放送大学は質問や意見交換ができないところも大きいですね
教授も生徒の反応が見えないから張り合いがないでしょう。

 ついでに放送大学に対する提案は、
たとえ少人数でも生徒をスタジオに入れてみたらどうでしょうか。
その場合、利口そうな人ばかりでは、見てる人が劣等感を増すだけだからだめです。
一人お笑い芸人を入れて「なんのこっちゃわかりません」と言わせたら、
何倍も面白くなるでしょう。これは真面目な提案です。
放送大学は時々本当に興味のある内容を放送しています。
「この先生はライブ授業とか後で呑んだら、こんなんじゃないんだろうな」と思いながら
つまんないなー、でも興味あるなー、でも眠くなるなーもう寝よう、というぐあいです。

 だから放送大学を卒業した人は無条件で尊敬します。
卒業するためには自分の興味以外のものも一人で聞き続けたわけですから相当意志が強い人です。
私が大きな会社の社長だったら、入社試験なしで採用します。
「私達、放送大学の卒業生なんですよ」という夫婦と話したことがあります。
謙遜した様子で言われるので、
「すごいじゃないですか、ウラ東大と言われているんですよ。尊敬しますよ」と言って、
その後、その夫婦は別の学校で博士号を持っていることを知りました。
学問そのものの面白さがわかっている学者肌の人には、教授の態度はあまり関係ないのでしょう

 しかし放送はとてもよい伝達手段です。利用しない手はありません。私も賛成です。
そこでアイデアです。
台本なしで、普段のように教えると、間違えたり、公にすると不適切な表現が混じります。
だから条件は、録画ということと、教授が後でチェックして簡単に映像を修正できることです。
たとえばニコニコ動画のように映像はそのまま流します。
しかし音声だけその部分にビープを入れます。
よく放送禁止用語のとろでビーっと入るあれです。
そしてこれが適切だという内容を画面の上下にテロップで流すんです。
ニコニコ動画の画面に視聴者の言葉が同時に流れ来るあの方式です。
そうすると後でなんぼでも簡単に修正できることから、
のびのびと授業ができ、駄洒落やばかな冗談のひとつも混じるでしょう。

 次のメリットは生徒の質問に応えられることです。
実際の授業でもこちらが確信の持てないことを聞かれたりします。
「今はこう理解しているけど、後で調べてメールするから」と教師の宿題にします。
その場合も、後で調べてテロップで流すことができるのです。
放送大学だと国会答弁のように質問は事前に(あるいは終わった後)提出することになりますが、
そうなると「いま・ここで」の本当の疑問に答えるというわけにはいきません。

 例えば大きな予備校が名物先生の授業を衛星で全国に流していますが、
あれは一回こっきりで再生しないという、いわばバーチャル授業という前提でしょう。
また、台本があると思われる授業の録画で、言い間違いもなく感動的なみごとな録画授業を、
産業カウンセラー協会で観たことはあります。すごい人がいるなと、ほとほと感心しました。
でもこれは授業というよりも彼の専門を凝縮した「講演」でこのレベルをつなぐのは、至難の業でしょう。
私は授業とはいっても単発で部分だから、講演に近いので、そのレベルに近づけたいとは考えています。

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 ■■■    成熟商品にもアイデアの余地
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 ハンコのような超成熟商品にもアイデアはつきません。アイデアは無限です。
日経(8.17)新製品情報タイトル「2人で所有、使用時に合体」の、
「旭フォト」という会社が考えた2つに分離する印鑑です。
会社の実印のデザインはだいたい中の円の中に代表取締役の印と彫ってあって
その外周にプラクシス株式会社の印とか社名が彫ってあります
その中の円部分と外周の部分が2つに別れるようになっています。
外周が筒になっていて中の円柱入れて1つのハンコになるのです。
割り符のアイデアで、インディージョーンズの世界です。
2人が持ち寄った印鑑を合体して捺印する。
儀式として重々しくていいではないですか。

 商品名は「セーフティ-W」で、理由は、
別々に半分しか保管しないから、どちらかが勝手に印鑑を捺す危険は少ないから。
値段が23万円とばか高いけど、安全のためにと考えて、買う人も多いかもしれません。
会社の代表印をパートナーの藤沢武夫に預けて任せっきりだった、
ホンダ創業者の本田宗一郎さんのような人には不必要ですが。

家の実印もそのうちそうなるかもしれません。

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