もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■「デジャ」
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■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル315号
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■■■■■■■■■■2012年1月9日(月)発行
■■■■■■進む原田
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目次
0 ・・・・・・明けましておめでとうございます
1 ・・・・・・サラリーマン心理学 ダメ上司の下で働く
2 ・・・・・・切れる中年男性
3 ・・・・・・中年期男性と感情

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■  ■     
■  ■   明けましておめでとうございます
■  ■   今年も「デジャ」をよろしくお願いいたします
■  ■    
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●臨床心理士

去年の臨床心理士資格試験に合格しました
今年4月から産業カウンセラー&臨床心理士です
これから「デザインを心理する」だけでなく
「心理をデザインする」も行ってまいります

●サーチャージ

前回デジャの「これじゃ国際化が加速するはずだで」
運賃がロンドンが3万2千円、パリが3万4千円、フランクフルトが4万円と値下がりと書いたら
「ヨーロッパではサーチャージが別に5万円かかる」と旅行通の○○さんから教えてもらいました。
運賃よりもサーチャージの方が高い!!!
サーチャージ (Surcharge)とは、割り増料金のことで加算金や課徴金と言われたりします。
航空運賃の場合「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」と「航空保険特別料金」のことです。
「パリがたったの3万5千円、安いっ!」と切符を買おうとしたら「別に5万円かかります」と言われたら・・・・
それでもまだ、ほんとに大丈夫かなというくらいの破格値ですけど。

●「ご一緒させていただきます」

高倉健の映画のセリフじゃありません
マンションでエレベーターに後から乗ってきた若いサラリーマンの挨拶です
玄関のインターホーンで○○引っ越しセンターの社員だと言っていたました
一種のベンチャラなんでしょうが、とっても違和感がありました。
ああ言うように、会社で教育されているのでしょうか?

●高級時計の広告とデザイン

最近目に付くのが高級時計の広告です。
広告のレイアウトは時計のアップの写真とブランドロゴのみ。
時々すみに誰も読まない外国語のキャンプションが小さくはいっています。
香水はじめとるす高級ブランド広告はどれも堂々としたレイアウトです。
真ん中に商品のアップのみ。
いろいろ説明しない「金持ち喧嘩せずデザイン」とよんでいます。
一番知りたい値段が、ちーさく入っている時もありますが、
50万・100万はざらで、たまに600万円となっていたりします。
値段を気にするような人は関係ないといわんばかりのデザイン。
日本製でもザ・シチズンやグランドセイコーは50万円近くします。
100万円を超えたら、時をはかる道具としての時計ではなくて、
持歩ける鑑賞用としての宝石あるいは名画、工芸品です。
時計そのもののデザインはさすがに、どのブランドも磨かれ完成されています。
重厚な厚味とロゴや文字のレリーフ彫刻のような美しさです。
したがって全ての広告デザインが、時計のアップの写真でことたりています。
全国紙の全面広告にポンポン出すほど売れているということでしょう。

●「新聞・テレビ・雑誌をみるな」

顧客ロイヤリティ協会の理事長している伊藤さんに誘われて。
静岡大学大学院教授の舘岡さんと伊藤さんの講義を受けてきました。
テーマは「どうしたら、より支援的な組織ができるか?」です。
ブームが去ったCS=顧客満足プログラムも、ちゃんと進化していました。
社内でお互い別の部署を大切な顧客と考えて、
例えば営業部門が人事部門に「してあげられること」「してもいたいこと」
などを話し合って、縦割り弊害をなくそうとう試みで、
その成功事例を話してもらいました。
「社員もお客様と考えて大事にしないといけない」という、
小企業の社長へのメッセージは以前聞いていましたが、
社員同士が、別の部著の社員を、甘えを含んだ身内ではない、
あるいははりあう相手でもない、サービス精神を間にはさんだお客様と考えて話し合う。
そうすると縦割りのブレーキがはずれ、色んな知恵が出てきて社内資源が活用される。
なーるほど、これなら特に大企業やお役所にフィットしそうです。
・・・・といったことの他に、
その中で「サラリーマンは新聞・テレビ・雑誌を見るな」と舘岡さんの考えを言われました。
それらの情報は誰かの意図にそって加工されたものだから、
独自の思考と判断の妨げになるだけだということでした。
半分なーるほどと思って新聞はなるべく見出しだけにしています。

●トイプードルが警察犬に

以前「デジャ」で書いた、犬の知能指数の件種別一覧があって、
一番頭が良いのがプードルで「オーッうちのメロンも」と喜んだら、その横に小さく、
「ただし、トイ(ミニチュア)ブードルは除外」と書いてあったので、
それ以来、うちの「レモン」を除外犬と呼でいると書きました。

 この度その汚名が消える快挙がありました。
以前、全国初のチワワ警察犬が話題になりましたが、
このたび2匹のトイプードルが鳥取県警の警察犬に合格しました。(12月3日毎日)
フーガ(2歳)とカリン(1歳)両方ともメロンと同じ女の子です。
これでもうトイブードルを除外とは言わせません。こちらもあやかって、
吉祥寺に13ヶ所計って服を作ってくれるペットショップがあるので、
メロンに婦人警察の格好させて散歩させようと夢はふくらみます。

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  ■   サラリーマン心理学   
  ■   ダメ上司の下で働く
  ■
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 人はえらくなると大部分の人が無能化すると言われていると、
以前書デジャに書きました。

 私の取引先に有能な部、課長はたくさんいらっしゃいますが、
部下から見上げると見え方が違うようです。
「私の上司は有能だ」という評価は、あまり耳にしません。
以前、旧財閥系の有名企業の社員5人と食事していたときに、
「うちの部長は有能だ」と皆が口を揃えて言うので、
「えー?信じられない。『人は無能レベルまで出世する』という、
ピーターの法則をご存知ないですか?・・・
じゃあ、部長の上司からの評価はどうなんですか?」
「上からも評価されている」
「じゃあ部長は出世しそうですね」
「社長まで行くかもしれないと皆が言っている」と口を揃えて言うのです。
5人の部下と元部下が言っているのだから相当な人なのでしょう。
私とは心理の関係だからベンチャラいう必要ないのです。

 その時に「人が下からも上からも有能だと認められるためには、
現状段階の2〜3段階上の実力がなければならない」
という「進むの仮説」ができました。
こういう部長が将来、社長・会長・顧問になって、日経新聞の「私の履歴書」に、
活躍した部長時代のことを書くのでしょう。

なぜ上司が無能か?

 しかしこういう人は万に一人です。
職場の悩みのアンケートでは、大部分が職場の人間関係で、
そのまた大部分が上司との問題がからんでいますす。
「上司が悪いから自分は苦しむ」という話で満ちています。
人事は完全ではないので幹部のどこかに無能な人が混じります。
この場合無能とは、課長の時はそこそこ有能だったが部長で無能化した人のことです。
部長を引立てた上司は、自分を追い抜く可能性の人を部長に抜擢しません。
「やばいけどやらせてみるか」とやらせてみて、
ダメだったら「やっぱり俺のようにはいかない」となるし
どうにかうまくこなせたら「あいつは俺のおかげで・・・」となります。
社長あるいは社長に近い幹部が無能だとその会社は悲劇です。

基本条件

 上記の仕組みで大半のサラリーマンは無能な上司のもとで苦労することになります。
だから「自分の上司は無能」はサラリーマンの基本条件になります。
よくよく考えてみれば、あなたの上司は人間的に立派で遂行能力が高いから上司ではなく、
たまたま永く勤めているとか、創業当時からいたとか、歳がいっているとか、他に適任者がいなかったとか、
上司の上司の地位を脅かさない程度の人だとか、ベンチャラが上手だとか、社長の親戚とか、
様々な巡り合わせでたまたまあなたの上司というだけなのです。

しかしその間はあなたも浮かばれない

 無能な上司のもとでは安心して働けません
無駄な動きもさせられ苦々しい思いをします
手柄も横取りされ、失敗を押し付けられる危険があります
提案に対して揚げ足ばかりとられ骨抜きにしてもみ消されます
したがって無能な上司の下でいかにストレス少なく被害も少なく
仕事するかそのスキルを磨くことに集中したほうが健康でしょう。

無能な上司の部下についたら認知を変える

 一生その人の下で働くわけではないのです。
「上司は部下から見て立派でなければならない」は事実ではないと認めます。
失敗を押し付けられないように防衛しつつ、
部長の弱点を非難するかわりにカバーするようにします。
その期間を自分のフォロアーシップの練習期間と位置づけます。
その苦労の大部分がコミュニケーションに関することだから
そのスキルは痛い目に遭いながら上達します。
「まくら」の顧客ロイヤリティ協会のコンセプトにしたがって
上司も顧客とみなす方法もあるでしょう。

 REBT=認知感情行動療法では認知を以下に変える指導をします
1.本当は有能な上司のもとで伸び伸びと安全に自分の能力を伸ばしたかった
2.しかし会社というのは有能な人が上司と限らないのが現実だ
3.このことはフォロアーシップ(自分の安全を守りつつ上司を活用して成果を挙げる)を
 学ぶ機会が与えられたとも言える
4.「盲100人目明き100人」で他部門の実力ある人はちゃんと見てくれているし、
 これまで様々な不遇の時期を乗り越えてきたし、これからも試練は乗り越えられる
5.自分のためにも上司を顧客に見立てて愛想よくして淡々と仕事をこなしてゆこう。

必ず状況はよくなります。

実は、ダメな上司は他の部署も薄々気がついています。
その下で働いているあなたも視界に入っていて、くさらずにやっていると、
「あいつの下でなんとかフォローしながらやっているな」と見てくれているのです。

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 ■■■   切れる中年男性 
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 前々回号で切れる中華食堂のおやじのことを書きましたが、そのあと
11月30日の日経に「キレやすくなった中高年男性」特集記事がでていました。
「駅や空港、病院などの公共の場で、ささいなことでキレて駅員や職員らに手を出したり、
言い寄ったりする中高年男性が目立つ。」というのです。
私も駅で中年のおっさんが駅員にからんでどなっているのをみたことがありますが
酔っ払いかなと思っていましたが、今はしらふでもキレるんだそうです。
私鉄やJR調べでは大半は男性で2010年度は868件と06年度より約3割増加。
年齢別では60代以上が最も多く、以下40代、50代の順で中高年です。
飛行機内で暴れた人が罰金くらって新聞に載りますね。
病院でも噛み付く人が増えているそうです。
多くのおっさんが、時間が少したつと冷静さを取り戻し反省するそうですが・・・

 なぜ一見普通で分別ありそうな大人の男性がキレてしまうのか?
考えられる理由は「軽視され自信喪失と対話能力の低下」だそうです
ギスギスした職場環境の中で軽んじられる、おじさんの孤独があります。
会社をリストラされたり、人員削減で仕事量が増えたりして、
中高年男性のストレスが増加していることはたしかです。

 心理学者の榎本博明さんの分析は、
「職場でお荷物扱いされ、家庭では軽んじられて居場所がない中高年男性は増えている。
彼らは自信がないから他人の視線が気になって被害者意識が強まり、
ちょっとしたことでも自分がバカにされたと思い激高する。
唯一、自分が尊重される場が客という立場。
最後のよりどころである客の立場を軽く見られると、
怒りが爆発して衝動を抑えられなくなるのだろう」
・・・・うーんわかるわかる(原田)

作家の藤原智美さんの分析は、
「地縁や血縁が薄くなった昨今、昔に比べて親戚や他人と話をする機会が減った。
対話能力も低下しており、不満があってもなかなか口にできない。
そのストレスが限界点を超えた時にキレるのではないか」

 脳科学者の有田秀穂教授の分析は、
「脳内物質のセロトニンは人間の情緒を安定させ衝動や攻磐性を抑制する作用があり、
不足すると感情の起伏が激しくなって、ささいなことでもキレやすくなる。
分泌を促すには運動、日光浴、ふれあいの3要素が大事。
デスクワーク中心の現代人は太陽の光を浴ぴずに机に向かう時間が増え、
同僚と赤ちょうちんで一杯という機会は減っている。不足するのは当然」
・・・ということで有田教授はセロトニンの分泌を活発にする運動療法の実践の場として、
「セロトニン道場」を都内に開設しているそうです。

 キレるおっさんに必要なのは「心理相談」と、「運動・日光浴・ふれあい」のようです。

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 ■■■    中年期男性と感情
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 中年期の年齢幅は一番広く、最近では35歳から65歳だと言われています
昔は「40にして惑わず、50にして天命を知る(孔子)」で40代が中年でした。
例えばITプログラマーのような職種によっては30歳から中年期が始まっていると考えて良いと思います
明治時代までは50で死んでいたのが90まで生きるようになったから、
中年期が65まで伸びたのですが、あまりにも年齢幅があるのでこれから、
中年前期、中期、後期と細分化されてゆくでしょう。
日本人中年男性の自殺率は世界のトップレベルですから、研究と援助が急がれます。

 中年期男性の心理的問題の手がかりの一つが感情の意識化です。
読者の中年男性に聞きます
「この10年間で、人に向って(独り言でもいいですが)
「悲しい」「怖い」「不安だ」「悲しい」と自分の感情を口に出して言ったことはありますか?」
ありませんよね。きっと自分はあまり感じたことないと思われているでしょう。
心では感じているのですが、言葉にする回路ができていないだけです。
男は弱音をはいてはいけない、つまり感じてはいけない、という文化があるからです。
私も心理を勉強するまでは「今自分は悲しいと感じている」と感じたことはありませんでした。
悲しいなどと、めめしいことは考えすらできない九州男児ですから(笑い)
たとえば中年男性の心理相談で、困った出来事を話されて、「その時どう感じましたか?」
という感情を聞く質問に対して、ほとんどの方は考え込んで黙ってしまわれます。
しばらく待って「・・・そういう目に遭ったら怒りや不安がおきるのが自然ですが・・・」
と水を向けると「そうかもしれません」と言われるか、それでもわからないと言われます。

 したがって、
中年男性の心理相談における介入は感情用語で話し合うことからはじまります。
実際には心の中で渦巻いている感情にふたをしているから、杓子定規でものを言う固い態度や、
身体にでる仮面うつ病、無茶食い、あるいは各種依存症などにつながります。
心理相談で感情言葉に慣れ、自分が感じたこととその感情言葉がつながると、
おっさんでも「上司から何か言われたその瞬間は、怒り120%、情けなさ60%、不安70%でした」とか
言われるようになります。
もちろんそれは言葉であり正確に言い表しているわけではありませんが、少なくとも表現回路はできたわけです。
感情は本能脳に近い情動から出るので機械のような人から人間性を取り戻す道筋になります。
そうなると「貯めといてキレる。身体に来る。依存症に走る。」といった危険性は弱まります。
自分の感情に敏感になると人の感情にも敏感になり、
部下に対してもいきなりどなったり、ひとの前で長々説教したりしなくなります。

おっさんの感情教室

 日本文化では「喜」「怒」「哀」「楽」があります。
「嬉しいと楽しい」と「怒りと悲しみ」のポジ感情、ネガ感情、2つづつバランスがとれてます。
ゴールマンの基本感情は「幸福感・満足感」「不安・恐怖」「“うつ”・悲しみ」「怒り」の4つです。
A.R.ダマシオという脳科学者は「喜び」「悲しみ」「恐れ」「怒り」「驚き」「嫌悪」の6つ。
宗像という人は「喜び」「不安」「怒り」「悲しさ」「苦しさ」の5つとしていますが
苦しさは認知が含まれているようだから、「喜び」「不安」「怒り」「悲しさ」が妥当でしょう。
そして心理相談では「喜び」「幸福感・満足感」は外れるから「不安」「怒り」「悲しさ」になります。
この三つの感情に精通することが重要になります。

 感情も細かく追究すると簡単にはわりきれません。
たとえば「怒り」ひとつとっても、
・心が乱れる・うるさく感じる・にがにがしく感じる・かっとする・批判的になる・嫌悪する
・びっくり仰天する・腹を立てる・ねたましく思う・うんざりする・がっかりする・激怒する
・敵意をいだく・我慢ならない・怒る・じりじりする・怒りで顔色が変わる・怒りで気が狂う
・怒りで乱暴する・心がかき乱される・迷惑を受けて怒る・いらだつ・憤慨する・騒ぐ
・不愉快に感じる・しゃくに触る・硬直する・気が立つなどの言葉で表現できます。
これらの表現は怒った時のコンディション、怒った人の性格、周りの状況・環境、
怒りの持続時間、怒りの頻度、怒りの深さ、で様々な表現がなされれるわけです。

しかし、あえていうならばどれも怒りがベースとも言えます。
「不安」「怒り」「悲しさ」という感情に慣れ親しんでおくことが、
おじさん(おばさんも)のこころの柔軟性につながると考えられます。

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