もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■■■■■■2012年5月7日(月)発行
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目次
0 ・・・・・・(力の入った)まくらのみ

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■  ■   (力の入った)まくらのみ
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iPadを買ったおかげで8連休はあっという間でした。
基本的には自炊で読み込んだPDFの本を読むのですが、
合間合間にゲームとメールをするので、
風呂のふたと悪口言われている皮のケースが、
手あかが染みて年代がついてしまいました。
亡国のマシーンだから若い人には勧めません。

●ほめる達人検定

 通称「ほめ達」というのがあるのだそうです。
大阪の会社が2年前に始めてすでに4300人以上が合格。
すごい拡がりです。
こういう、あたりまえといえばあたりまえで、
効果があると判っていながらしかし、意外とやっていないことを、
ことさらとりあげて検定にする、遊び心がとてもいいと思います。
なかなかいいところに目をつけたものです。
代表の西村さんの「泣く子もほめる!ほめる達人。」という紹介が面白い。
褒めるということとユーモアは底辺でつながっているのでしょう。
そういえば次に書くSFCの先生は関西訛りで2人の掛け合い漫才的講演が愉快で、
心理界の吉本興業と呼ばれていました。

 心理療法にも「褒める」は使える
 「ほめ達」は、普通の人を気持ち良くさせて、ますます元気にすることで、
商売に活かそうというのが狙いですが、褒めることは心理療法にも利用されています。
心理療法は、問題をかかえたマイナス状態の人を普通にもどすのが第一の任務です。
心理療法のひとつ、解決志向ブリーフカウンセリング(以下、SFC)は、
褒めることをコンプリメントと呼び、核にしています。
政治家がよく使う、誉め殺しというのがありますがSFCは褒め活かし療法です。
様々な悩みを持ったどんなタイプの人にも、コンプリメントが中心になります。
うつなどで弱っている人に対しては、褒めるというよりもむしろ、
「辛いのによく来てくださいましたね」というねぎらいの雰囲気になり、
元気だけど親や先生から無理やり行かされた問題児にたいしては(ビジタータイプと呼ぶ)
その子が何を話しても、「ほーすごいね。」ともっぱら褒め褒め一色モードでそのまま返す。
気分が良くなる・・・自信をとりもどす・・・よいところが伸びて、
平衡感覚がもどり問題が改善する・・・ということでしょう。
 褒め達のwebにもちょっと書いてあったけど、褒め流しではかえって悪いといいます。
ちょと思い付いて、言うことを聞かせる為に、口先だけで褒めとこうというのがよくありません。
その内容を「へーっ、それってどうしてやれたの?」とずっと追求してゆきます。
永く丁寧に深く何度も褒めるわけです。
相手の出来たことを具体的に褒める、褒め重ねでは、良い空気だけが膨らみます。
これで心理的な問題に対しても十分効果があると言います。
人は普段、これの反対をやられています。
何か悪いことした時に、親や先生や上司から「どうしてやったの?どうしてやれなかったの?どうして?」と追求され、
理由を聞かれても答えようが無く、ただただ責められているのですから、マイナスを増量しているにすぎません。
素直に反省なんかするはすがないのに、あるいは反省して悔しい思いしているのに、
養育者や上司は自分の焦りと怒りのあまり、褒めることの真逆をしてしまいます。

 褒めるには、心構え(コンセプト)がいります。
コンセプトは、人と人生の多様性を認め、起きたことは全てOKという考え方です。
まず親や養育者や上司は「こうあって欲しい」という基準があってそれに反則した時に責めます。
あるいはそれに合致した時だけ褒める。
「こうあって欲しい、こうあるべきだ」と固まっている人は、
人の良さを見つける範囲が限られているので褒めるチャンスはなかなかありません。
心理療法の場合、人生や人間の見方はダダっ広いので、良いところ探しが自由で無限大です。
起きたことは全て両面があり外見は悪くても裏返し(リフレーミング)にすると全てOKなんですから。
問題を抱えた人は失意の中にあるので、自信は無くしマイナス感情でみたされていて、
自分か相手か社会を責めたりして、悪いガスが体いっぱい充満しているわけです。
その中和剤が本物のコンプリメントだと思います。

 褒めるには、技術がいります。
「へーすごいねー上手だねー」というのは単純な褒め方でこれでも十分効果はあります。
しかしやはりズシンとくる褒め言葉は、本人が密かに無意識で大切にしている、
どこか自信がある部分に振れた時でしょう。
SFCでは相手と会った瞬間から相手の良いところを探り、
カウンセラー自身の心の中の棚に積み上げてゆきます。
「リソース(有効資源)探し」とか「例外探し」とか呼んでいます。
なぜ例外かというと、例えば親や先生から行けと言われて来た不登校の子では、
登校日の200日の中で一日だけ行けた日を取り上げて
「すごいねーその日はどうして行けたの」とずっとそれを話題にします。
あとの199日は無視。
こうなるとどんな人でも褒めるネタにつきませんよね。
たまたま行けた日のことを話し合っていると、そこに解決の糸口が潜んでいたり、
だめだだめだと言われているのに「あ、自分にもできる瞬間(例外)があるんだ」ということに
気づく可能性が強いからです。
気がつけば、元々人は人は良い状態にもどろうとする力が備わっているから、
(ホメオスタシスとか実現傾向とか言います)自分で改善に向ったするわけです。
この場合、学校に行くことがゴールではなく、そのほかの結果でも、
「自分でいいところに気がついたね。よく考えたね。」とその部分を褒めます。

 我がREBT=認知感情行動療法では自分で自分を褒めれるようにもっていきます。
 人はいつまでも褒めてくれませんし、人に褒めてもらうまで待つよりも、
自分で自分を褒められるようになれば、それが自立したということになります。
REBTでは相談中にはコンプリメントで元気づけますが、
最終的には自分を褒めるネタを自分で探しだし、
(こちらからも示唆して・・・いや時にはあなたはこんな力があるじゃないと押し付けて)
それを自分で認め、自分に何度も言い聞かせる練習をします。
いつか詳しく書くつもりですが、REBTにおける自分のよいとこ探しと宣言を、
F-4・セルフエンパワーメントと呼んでいます。
ちなみに一見悪いことをひっくり返して、よい部分を見つけるのが、F-3リフレーミングです。

最後に脱線
中年になると褒めてもらえる機会はほとんどなくなります。
バーやクラブではママが褒めてくれますが、料金が高い。
相手は商売で褒めてくれているとわかっていても通うのは称賛に餓えているからですね。
中年期における称賛飢餓状態と名付け論文にまとめたらおもしろいでしょう。
中年期の皆さん!人には称賛を、自分の中には称賛の自家発電機を持ちましょう。
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