もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■「デジャ」
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■■■■■■■■■■週刊(に近づける)
■■■■■■■■■■デザインジャーナル322号
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■■■■■■■■■■2013年1月1日(火)元旦発行
■■■■■■進む原田
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目次
0・・・・・・まくら
1・・・・・・シンメトリー=左右対称
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■  ■   
■  ■   まくら
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明けましておめでとうございます

他に2つの心理関係のメルマガを担当しているのでこの「デジャ」が手薄になりましたが
今年はをもっと回数多く発行したいと考えています
「デジャだからデザイン記事を入れた方がいいよ」という
Nカメラマンのアドバイスどうりデザイン記事を入れていきます

●発明クズカゴ

外国映画のようにクズカゴに紙クズをポーンとほおるのがけっこうな息抜きになります。
何も考えずに無心にほおると意外とスポンと入り、
これは入れるぞと思ってほおったらなかなか入りません。
テニスの試合の時のサーブと同じでどこかの筋肉が緊張するからでしょう。
ところで紙くずなどを投げるとゴミ箱が自ら動いて、
ゴミをキャッチするゴミ箱を発明した人がいます(日経12.14)
壁につけたセンサーがゴミを検知して、落下点を予測してゴミ箱が先回りするしくみです。
確率が定まらないこととコストの問題で商品化のメドはたっていないそうです
しかしロボット掃除機ルンバ(iRobot)も最初は「面白発明品」のノリだったのですが
今や立派な商品で、シャープ、東芝、韓国のLG電子まで製造しているので、
このゴミ箱もわかりませんよ。

●勇気のキーワード、ジャマ中

ipsの研究でノーベル賞をもらった山中教授が昔外科医をめざしているころ
上手な先生なら15分で終わる手術に2時間もかかる不器用さで、
周囲から「ジャマ中」と呼ばれたという話は、私に勇気を与えてくれました。
外科医をあきらめて基礎研究に方向転換したからこそのノーベル賞ですから。
「ジャマ中」って先輩が言ったのでしょうか。同僚が言うわけないし先生も言わないでしょう。
どこからもれ聞こえてきたのでしょうか?本人は傷ついたでしょうね。
何かに挫折した時には「ジャマ中」を思い出すといいですね。
原田だったら「ジャマ原」と紙に書いて壁に貼っておくと良いでしょう。
挫折のどん底でも、どこかに活路があり、それが見いだせるまで、
ジャマ○ジャマ○と言われても図々しく希望を持って生き抜きましょう。

●骨董無形も磨けば実話になる

『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』というTV映画にはまっています。
9.11のテロの後、政府が億万長者Xに「テロ事前防止情報システム」を発注して
それが稼働しているという前提です。
ニューヨーク全市民の電話を盗聴して町中に張り巡らされてた監視画像を
「マシーン」とよぶ超大型コンピュータが分析して、
「こいつはテロを起こすぞ」と事前に割り出して国民背番号で知らせるシステムです。
きっと「京」よりすごいハイパースーパーコンピュターを
億万長者Xはアメリア政府に1ドルで納入します。
ところが政府はテロ防止目的だけに限定利用して、もう一つの重要情報、
「この国民背番号の人が24〜48時間以内に殺人事件に巻き込まれる」というデーターを
「無用情報」としてハネてしまいます。
それを見かねた億万長者Xが、CIAエージェントのYを雇って救済ボランティアをするわけです。
面白いのは割り出された国民背番号の人が、殺す側なのか、
殺される側なのかまではわからないことです。
見ているうちに引込まれていき、だんだんと事実に感じてゆくことです。
いや、作り事だろうが事実だろうが構わない、という気になってそれが術にハマった時です。
漫画の勉強している友人が、
「漫画ストーリーの発想の時点では、骨董無形でないともはや刺激に慣れた現代人の注意を引かない。」
と教えてくれました。
例えばヒット漫画『進撃の巨人』は、ゴヤの「我が子を喰らうサトゥリヌス」ばりに
巨人が人間をばりばり食べる、とんでもない話です。
しかし腕の見せ所はその後の展開。
話を進めながら、小さな証拠を積み立てて、疑いを消してゆき、
ありうるかもしれない・・・あってもおかしくない、と思わせられたら成功だというわけです。
シリーズ映画はそのてん証拠の積み重ねの機会が続くので、
『PERSON of INTEREST 』の骨董無形にまんまとはまってしまうのです。

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  ■     シンメトリー=左右対称
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 「左右対称」とは真ん中で割って右と左とが同じ形のことです。
西洋の建物も、庭園も上から見て「左右対称」に作られています。
私から見て退屈なだけで「左右対称」のどこが美しいんだろうと感じますが、
「左右対称」こそ美の極致だと感じる人が世界に半分はいるということです。
サンフランシスコ時代、デザインのボスはスイス人のトムケラーで、
なんでもかんでも「左右対称」にしないと気が済まない人でした。
学校案内の各ページのレイアウトまで「左右対称」にしろと下書きで指示します。
こちらとしてはどこか一ヶ所壊してオフバランスで持っていくのですが、
元にもどせと言われ「この仕事は自分の実績集には入れられない」とあきらめました。
ケラーはよく「日本のデザインはなぜあんなに不安定でばらばらなんだ?」
と議論をふっかけてきましたが、感覚の遠さにうんざりして説明する気力さえわきませんでした。
ケラーに反発しながらも、頭の中に左右対称定規ができあがったおかげで、
どこか一ヶ所効果的に壊すという手法を覚えて、
後で仕えた柔軟性があるアメリカ人のボスからは
「ススムはジャパニーズスイス(スタイル)」だと言われたりしました。

 日本人デザイナーの中には定規はなく空間があるようです。
中国や日本の掛け軸のレイアウトにフォーマット(基礎工事と鉄筋の骨組み)や
「左右対称」の発想はほとんどありません。
文字と絵が幻想的に宙にふわふわ漂っている感覚のレイアウトです。
描く対象が自然の中の幻想だからフォーマットはじゃまになるからでしょう。

 ところで話はかわりますが、人の顔は「左右対称」が美の基準だそうです
「左右対称」顔が美しいと判断される事実を最初に見つけたのは、
進化論のダーウィンの従兄弟の、天才の遺伝研究で有名なガルトンです。
彼は合成写莫を使って、中性的で無表情だが美しい左右対称の美人を作り上げました。
それは今日見ても非常に美しいそうです。

 現代のコンピュータで作った顔はちょっとキツメですが、
ぼやかす技術ができれば皆が魅力を感じる美人を作り出さるでしょう。
いくつもの顔を合成すれば、ごちゃごちゃの醜い顔になるはずですが、
美しい顔になるのは、各パーツがぼんやりして結果として左右対称になるからだそうです。
おもしろいですね。目鼻立ちがぼんやりすると左右対称になるから美しく感じる。
「夜には、どんな女性でも女神になる」とオウィディウスが『愛の技法』でいっています。
どんな顔も男女ともに個性が影となって消える夜には美しく見えるものだそうです。
デートに柔らかな照明の場所を選ぶのはそういった理由があります

 なぜ私達は「左右対称」の顔に美しいと感じ魅かれるのか?
フランク・タリスの 「臨床恋愛病講座」によれば
少しでもよい遺伝子を次世代に伝えるための本能が関係しているといいます。
「顔は、その人の遺伝子が突然変異を起こしたかどうかがもっとも顕著に現れる部位なのだ。
そこで、ある人のゲノム(遺伝情報)に変異が多ければ多いほど、
その人の顔に異常が、左右非対称という形をとって現れることになるはずだ。(171P)」
つまり「左右対称」の顔は良い遺伝子を持っているという証であることを、
人は本能で知っているから美しいと感じ魅かれるというのです。

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