もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■■■■■■2014年1月20日(月)発行
■■■■■■進む原田
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目次
0・・・・・・まくら

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■  ■   まくら
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●TSUTAYAで文句を言うおじさん

先ほどTSUTAYAの韓流ドラマのコーナーで私と同年代の男性が、
「見たい巻がずっと抜けたままだ」と店員に文句を言っていました。
同じ経験したので気持はとってもよくわかります。
何週間もそこだけ5巻ぐらい空いていたので誰かが借りたままトンズラしたとしか考えられません。
そのくらい飛ばして次からみても韓流ドラマの場合、
わかるようになっていることをその経験で知りました。

●日本は良い国だと思っていたら

前々回は正月号ということもあって「日本は世界の中でもいい国だ」と書きました。
昨年9月の国連幸福度調査では、なんと日本は43位で、世界一幸せな国はデンマークだそうです。(1.4日経)
世界一の経済大国アメリカは17位で、2位の中国は93位ですから驚くことじゃないかも知れませんが、
ブータンではなくてデンマークが意外でした。

日経には、若い時にデンマークに惚れ込んでそのまま住み着いた千葉忠夫さんが出ていました。
世界一のデンマークにならおうという記事です。
「日本に帰国する度に気がつくことは、自分のことばかり考えて、
共生や連帯の精神がないこと。このままでは日本社会は衰退してしまう」
とまで千葉さんはおっしゃっています。
好きな外国に住んでそこから見れば日本の欠点がよく見えるのでしょう。

デンマークの税金は高い。
所得税が40〜50%、消費税は25%もかかります。
それでも国民の85%が「自分たちは幸せだ」と感じている、その根拠というのは、
情報と教育からくる意識に他ならないと思います。
意識には愛国心、問題参画意識、納得感などが含まれるでしょう。
税金の使われ方が見えていて、それを決定する議員を自分たちで選んでいる、というのは日本も同じなのですが、
税金の使われ方と議員と役人の関係が不透明というか仕組みがややこしくてわかりにくい。
デンマークは福祉も整っている・・教育も無料で受けられる・・など良いところが沢山書いてありますが、
程度の差こそあれ日本もそれなりに整っているといえます。

デンマークにも、社会の不条理や不平等というのはあるはずです。
悪徳役人や悪徳警官というのも日本と同じくらいの比率でいて当然です。
幸せにも個人差があり、同じ位の比率で人が病気になったり死んでいくわけですから、
要は情報と教育からなる国民の意識と納得性の問題でしょう。
デンマークのように560万人という人口だと情報の共有がやりやすいのかもしれません。

だからか、デンマークの国会議員選挙の投票率はつねに90%近いそうです。
外国からいろいろ良いところを教わるのは良いことです。
税金をあまり上げずに。

蛇足ですが
日本は消費税8%(今年4月)、10%(来年10月)でこの騒ぎですからね。
しかし平成元年にはじめて3%で導入という時に「生活が成り立たない」とデモがおきました。
慣れというのはこういうものでしょう。
でも10%で止めて欲しい。計算しやすいから。

●2度目の東京オリンピック 

オリンピックが東京に決まる前は、
「初めての国がやりたがっているのだから譲ってあげればいいじゃないか」と思っていました。
今でも少し思っています。
たびたびやる国はアメリカ、イギリス、フランスくらいでちょっとわがまま。
ギリシャは3回目でも義理があるから別ですが。
50年前の日本もその後の韓国も中国もオリンピック開催で誇りを取り戻し町も綺麗になりました。
ソウルに何度も出張した際は、オリンピックで出来た高速道路で都心に向いました。

しかし関係者が喜ぶ姿をテレビでみて「良かったね」と思いました。
誘致コンペに勝ったということは、ちゃんとした理由があるのでしょう。
朝のラジオで誘致委員の一人、スポーツ評論家の岡野俊一郎さんが力説しているのを聞いて、
なるほど立場が違うといろんなコンセプトがあるものだと感心しました。
「スポーツこそが言葉の入らない共通言語である。
50年前の東京オリンピックは参加国が100カ国ちょいで今度のオリンピックは200カ国以上が集る。
世界が狭くなったことと、世界中の人がスポーツを楽しめる余裕ができたということである。
ほとんどの人がオリンピックの経済効果しか話さないのが残念だ。
オリンピックは経済活動というよりも文化であり町作りなのだ。
これからますます増える高齢者と一般市民が一緒にスポーツを楽しめる街に作り変え、
国際的なモデルにするという意味があるのだ。」といった内容でした。
さすが2012年には文化功労者となられた岡野さん言うことに説得力があります。

75歳の心理の○○先生は「オリンピックが日本に決まって良かったことはただ1つ、
安倍さんが“原発問題はちゃんとします”と世界に向って約束したことだ」とおっしゃっていました。

●前々回記事の「自動車の自動運転車」について○○さんからメールいただきました。

以下○○さんのメール
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30年前の1984年に、私の住む隣町の三鷹市で、
NTTがINS (Information Network System)の実験を始めました。

当時、大学生であった私は近所のせいもあり、非常に興味がありました。
当時はインターネットなど無く、電話回線でパソコンをつないでおり、
電話代が月4万円にもなって親からひどく怒られた思い出があります。

コンピュータをつないで、友人と将棋をやったりしました。
電話で1−6歩と話した方が、よっぽど早いのですが、
パソコンをつないでいるところに喜びを感じていました。

コンピュータ業界でも、当時はコンピュータ同士をつないで何ができるか想像できなかったこともあり、
INSは「いったい、何を、するんだろう」と揶揄されていました。
しかし、30年後の現在ではインターネットは何物にも代えられない重要なものになりました。

当時の研究者の先進的な発想と、それをバックアップした社会に「余裕」というか「許容性」を感じます。
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以上○○さんのメール

INSは「いったい、何を、するんだろう」の略・・・いいですねー。
こういう皮肉を作るのが上手な人が必ずいます。
しかしほんとにINSが生活の基盤の時代になってしまった。
30年でこんなにも変わるものですね。
なお○○さんは企業で未来のビジネスを考えてらっしゃいます。

●ミスマッチ失業(日経1.14)

 求職者と企業の求人希望がすれ違うのを「ミスマッチ失業」といいます。
例えば製造業が新興国に生産拠点を移したり、
IT(情報技術)で事務職の需要が細ったりすることで、失業が増えるのです。
経済協力開発機構(OECD)がまとめた2013年の推計値によると、
先進34カ国の平均は前年より0.17ポイント高い7.86%と6年連続で上昇しました。
ビジネスが世界レベルなって、世界が1つの工場となっていますので、
工場がない国のブルーカラーの仕事はなくなるわけです。
デザインにも同じことが起きてきます。
私のデザイン高校の同級生はテキスタイルデザイン事務所をやっていましたが、
ファッション工場が東南アジアに移ったためにデザインも移ってしまい仕事がなくなり10年前に廃業しました。
「いまさらベトナムに移り住むわけには」ということでした。
しかし中国に行った2人の知り合いの建築デザイナーは大活躍しています。
それと同じことがどの業種にも起きているということであり、
自分の仕事を大きく変化させないと「エンプロイアビリティ」が維持出来なくなってきました。
業種にこだわり、かといって国を出れない中高年労働者は深刻な問題をかかえます。
30代40代の人も20・30年後に日本はどういう社会構造になっているか、
予測して準備しておく必要があります。
「職業の未来予測・マッチングコンサルタント」という職業があったらいいですね。

●働く子育て女性(1.20日経)

35歳から44歳までの子育て世代の働く女性が、
総務省の労働労働力調査によれば、 2013年度には71.3%になり最多になりました。
70%を起こすのは初めてだそうです。
やはり景気回復と託児所など環境の改善が挙げられますが、
子供が出来ても女性も働き続けられるという、社会の意識もあるでしょう。
この年代の女性がバリバリ働いてくださることで、日本経済の活力につながるということです。
少子化も怖くない。
一方、乳幼児とのアタッチメント(関わりの時間と頻度)障害が心配ですが、
「深さと質」でカバーできるように専門家を交えて工夫する必要がでてきます。

●クリーブランド美術館展

帰ってきたNIPPON「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」 が、
上野の東京国立博物館で2月23日まで行われています。
クリーブランドにアメリカ屈指の美術館があるとは知りませんでした。
おそらく日本がまだ貧しかった頃、強いドルで買い集めてアメリカに持ち帰ったのでしょう。
日本のお宝だから返してくれと、本当は言いたい。
しかし考えてみれば、日本が混乱している間もアメリカできちっと保存してくれたおかげで
良い状態で残っているという言い方もできます。
大英博物館にはエジプトのミイラや財宝がたくさん集められていますが、
エジプトも全部返してくれとは言ってないですね。
エジプトの財宝をイギリスでも見られるように預かってくれていると思えば盗まれた感は減ります。
ボストン美術館には日本の美術がたくさんあることで有名だから、
期待して見に行ったのですが、それほど多くの名作には出会う事は出来ませんでした。
地下室にたくさん埋蔵されているのかもしれません。

蛇足ですが、オハイオ州のクリーブランドには思い出があります。
クリーブトラストバンクという証券銀行がアメリトラストバンクと行名変更した際に私のデザインが採用されたのです。
アメリはアメリカの略で、法律変更に伴いクリーブランドに留まらずアメリカ全土に打って出るぞという意気込みでの変更です。
一案に決定した後、経営者の一人に目のみえない女性がいてその人のためにロゴを立体で作ってもらったのを覚えています。
サインなど完成した時期に合わせてニューヨークからグレーハウンドバスで撮影に行ったことがあります。
確か前の日の夕方ニューヨークを出発して次の日の昼について夕方まで撮影をして深夜に戻ってきた記憶があります。
撮影中に、だんだんと日が陰り、寒くなり、寂しくなりと、
その時のクリーブランドの空気まで思い出すことが出来ます。
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