もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■■■■■■デザインジャーナル334号
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■■■■■■■■■■2014年3月31日(月)発行
■■■■■■進む原田
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0・・・・・・まくら

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■  ■   まくら
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●テプラ貼られたらデザイナーの負け

私が言ったのではありません。デザイナーの友人のコメントです、
セブンイレブンの100円コーヒーが人気ですが、
そのコーヒーメーカーを有名なデザイナーがデザインしてて、
文字が上品過ぎて見えないわからないというので、
各店舗が独自に大きな日本文字を打ち込んだテプラを上から貼りまくっているが、
これはデザイナーの負けではないか?というのです。
きっと開発段階でクライアントから「先生、文字が見えませんが」と懸念の声が出たのを、
「いえこれでいいんです、だんだんこの美しさと機能に見慣れて来ますから」と押しきったのでしょう。
実際にそのうち浸透して見慣れててテプラをはずす時期が来るのかも知れません。
その時には「グッドデザインをしたさすが一流デザイナー」という評判が高まるのでしょう。
この自信と強さが一流になれた条件なんだと思います。

●インド向け低価格自動車のデザイン

 インド向け低価格車の車のデザインを見て感心しました。
車の前面に大きく山型の装飾がなされてて、一目見てそれはバンパーを兼ねているとわかったからです。
機能的ににバンパー(衝撃を和らげる緩衝装置)なのですがいかにも大胆なデザインだからバンパーに見えません。
昔の車には全てバンパーが独立してついていました。
ぶつけたらそのバンパー部分だけをはずして修理するか取り換えればすんだわけです。
また塗装がしてなくてクロームメッキのままだったのでぶつけても色がはげ落ちることもありませんでした。

 最近の車のデザインはバンパーという感覚はなくなり車体の一部という考えです。
高級車はもっと一体化しててちょっとぶつけてひっこませただけで周辺総取っ換えとなり莫大な金額になります。
1,000万円を超える高級車になると駐車場で当て逃げされても10万〜20万円は普通で、
友人はベンツSクラスをぶつけて修理に80万円もかかってしまいました。
修理代でインド車が買える値段です。
10万〜20万円の修理代は、保険から出すよりも自費のほうが割安だったりするので痛いです。

 確かにバンパーという概念は古くて、私だってデザイン頼まれたらボディと一体化するでしょう。
現代的になるほどデザインも凹凸がなくなり一体化(連続化)が進むからです。
その分修理代がかさむ一方で、資源の無駄使いだと思います。
そこでできることは目立たない切れ目を沢山作ることです。
その部分だけがぐしゃっとつぶれて取り換えられるようにしたらいいでしょう、
カーデザイナーの追求テーマとして、バンパーとしての機能を維持しつつ
車体を一体化して美しく見せるというこの葛藤を解決して欲しいと思います。

といったことから考えて、インドの大衆車はその逆でバンパーをフェイス化装飾化したというのが、
素晴らしいと思いました。
きっと車体の値段の見合う1万とか2万円で修理できるようになっているのだと思います。


●転機について考える

 先日ある広告会社の壁にポスターが貼ってあって
上に大きくCHANGEという文字で下にCHANCEとあってその間に四行ぐらい並んでいて、その一字違いの
上のGの部分がだんだんとCに変化するというタイポグラフィー(文字だけで構成されたデザイン)です。
「へーっ!チャンスとチェンジは一字違いだただったんだ」と思わず叫んでしまいました。
外国人はとっくに気がついているのでしょうが新鮮な驚きでした。

 CHANGE=転機というものがたしかに人生に何度かあります。
前回号で、レビンソンは「人の発達上の周期は4〜5年ごと、生活構造の周期は7年ごとにくる」
と言っていると書きました。
普通に生活しているとそのくらいで自分の状況が変わるということです。
しかしその周期のたびに仕事や職場を変わっていたのでは、技術習得や経済効率も悪いでしょう。
ということは転機と思える何回かに一度はそこで踏み留まる必要があるということです。
それは階段の踊り場に似た感じで、
その時期は焦ったり居心地が悪かったり不全感を感じたりするはずです。

 転機というのはだいたい他人や世間から押し付けられたものが多いのですが、
一番辛いのが職業人生の最終段階での人(世間)から押し付けられた転機です。
自営している人が仕事が激減したり、企業でリストラ対象にされるといったことで傷つかないはずはありません。
若い時の転機は後で考えて「あれはチャンスだった」と言えることが多いのですが
この時期の転機は「大変なことになった。これからどうなるんだろう。」と先がなさそうな不安を覚えます。
チャンスと考えるにはちょっと無理がありますが、
見方や考え方の変更、つまりパラダイムシフトさえできれば後はわりと平和で豊かな人生が待っていると考えることもできます。
となるとこの時期の危機は、これから長い人生に必要なコンセプトリメイキングの好機ととることもできるわけです。

 しかしその渦中にいる時は危機としか思えないんですね。
だから若い時「あの時、とばされて危機と感じてあわててけど後になってみたら転機=好機だった」という事実を思いだして、
(必ずいくつかあるはずです)今回もそうにちがいないと思ってまちがいないでしょう。

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