もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
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■■■■■「デジャ」
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■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル335号
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■■■■■■■■■■2014年5月1日(木)発行
■■■■■■進む原田
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目次
0・・・・・・まくら

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■  ■   まくら
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●中国からお客さん

 中国○○から、デザイン会社の社員研修旅行で11名こられたので、
会って日中友好親善を果たしてきました。
70名以上のデザイン会社で、社長が40歳で後は30代と20代。
今回は幹部社員10人と外部のデザインディレクター1人が来日。
その外部のデザインディレクターの○○さんは、
私の本を台湾語と中国語に翻訳して出版してくださった恩人です
たった創業十何年で、社員70名以上のデザイン会社になる、
中国の発展のスピードを表しています。
皆若くてやる気と向学心に燃えている感じ。
日本に見学にきてくれるのは嬉しいけどそれも時間の問題かな。
10時から12時まで話して、ランチをごちそうになりましたが、
「日本における、デザイナーの地位は高いのか?」という質問が表現を変えて二度出ました。
「高くもなければ低くもない」と答えたら、「有名デザイナーはどうか」と聞くので、
「有名デザイナーは高いかもしれない」と答えておきました。
帰りのタクシーの中で「はたして社会的地位って何だろう」と考えてしまいました。
今の日本に明確な社会的地位ってあるんだろうか?
たとえば医者、弁護士、政治家、教授などは社会的地位が高いともいえ、
個人や家族は意識しているかもしれないけど、社会ではそれだけで尊敬されて、
特別扱いされているとは思えない。
金持ちは札びらで特別扱いされるけど尊敬のほうは得られない。
そういえば私が若い時代には「デザイナーの社会的地位」を意識していた気もします。
でも何度も経済危機を経てきて、デザイナーの地位なんてないのが実感ですし、
私たちが売り出しのころ、美人タレントと浮き名を流した有名デザイナーなどは、
今は話を聞かないし・・・
しかしこれから国をしょってたつ若い中国のデザイナーには、
希望と野心を維持して頑張って欲しいです。


●「アナと雪の女王」

 先日、地方に出張した時に、迎えの営業車で曲が流れていて、
「一日中この曲しか、かからないんですよ」と言われたので、
「なんの曲ですか?」「Let It Go」です。
「ああ、だからどこかで聞いた曲だ、映画みましたよ3Dで」とちょっと自慢げに。
一日中は大げさだけど印象としてそうなのでしょう。
映画は吹き替えなしを観たのですが、松たか子の日本語の歌も悪くないです。
私はビジュアル人間ですから曲よりもあの背景の映像が目に焼き付いています。
主役のお姫さまが2人いるのと王子様がダメ王子だということなど、
今までのディズニー映画とはちょっと違っているのと、
主役のどちらかのキャラクターに共感するから人気なのだそうです。
アナはいかにもアメリカ人の女の子の性格で、
「へーこういったがむしゃらに自分の運命を切り開いていく強い女の子が、
アメリカではよしとされているんだなと」と思いながら観ていました。
「男なんかにまけちゃダメよ。自律しなきゃ。」と、
世界中の女の子によい影響を与えるかも知れません。
姉ちゃんの女王も強いは強いけど「第一子」の性格で、
この「Let It Go」は「よし自分の世界を生きよう」という運命受け入れ宣言。
でも自由なアナに引張れて「自分の生き方」と「女王という役割」との接点を最後には見つけて、
めでたしめでたしとなります。
「カンフーパンダ2」と同じで、アメリカ人のテーマ、
アイデンティティ発見の物語とも言えます。


●大学の人気

 大学の人気が入れ替わります。
17日の日経を見たら、近畿大学の今年の入試志願者が14万人を超えて全国1位になったそうです。
14万人×の受験料だから相当な金額が動きますね。
その前は、今月教えに行く明治大学の先生が「うちが全国一番だ」自慢してました。
その前はボランティア仲間で立教大学職員トップの友人が「うちが全国一番だ」自慢。
その前は立命館大学の○○理事長が日大についでで二番目だと自慢。

 ネットで調べたら近畿大学のトップ躍進の理由は以下の3つが考えられるそうです
(1)メディアへの露出増加 〜養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」オープン〜
(2)「近大エコ出願」による広報効果 〜全国初の出願完全インターネット化〜
(3)女子志願者数の増加 〜女子学生を意識したキャンパス整備の推進〜

 世界初の完全養殖クロマグロ「近大マグロ」などの話題は大きいし「実学教育」は若者に受けるはずです。
若者の未来に対する感受性で、
「この学校は自由とチャレンジ精神に富んでいる」「自分の人生も面白くなりそうだ」とつながるようです。
女子大生徒向けに「関西市のきれいなキャンパス」「おしゃれな食堂」「パウダールーム」など、
サービス業なら考えつきそうなことを、大学でやれるということは、
資金力と強い信念のリーダーが存在している証拠で若者はそこにも引かれます。
志願者数と学校の質は必ずしも比例するとは限りませんが、
在校生の、QOSL「学生生活の質」との整合性は高いでしょう。


●フォースを阻害するもの

「スター・ウォーズ」のビデオ「4-新たなる希望」「5-帝国の逆襲」
「6-ジェダイの帰還」を買って観ました。
今買っとかないと品切れで買えなくなると急に不安になったのもあります。
実際、買ったのは全部中古品。
第1作目の「新たなる希望」を最初映画館で観たのが40年前ですが、
あの感動が生きたまま保存され持続していたと感じました。
このところあのテーマ曲がずっと頭の中を流れています

 特別な力フォース(Force)を持った宇宙の騎士団、ジェダイが毎回ヒーローとして登場します。
フォースは未来を予知する力、他人の心を操る力、触れずに物を動かす力などの超能力で、
それを阻害するのは「怒りと恐怖」で、悪者はジェダイの力をそごうと怒らせようとします。

 私達、セラピスト(心理療法士)は、
個人の能力や環境や可能性を「リソース(資源)」と表現します。
考える力や知恵がその大きな「リソース」です。
リソースはフォースの地味やつと言っても良いでしょう。
その考える力をそぐのはやはり「怒りと恐怖」からくる冷静さを欠いた状態なのです。
誰かに、意外なことを言われて、カッとなって怒りが強過ぎたり、
不安があまりにも大きいと(恐怖の軽いものが不安)、
とっさによい知恵が浮かばず対処がズレたりします。
つまりあなたのフォースが出ない。
「何であの時は言い返せなかったんだろうか」と後でよくありますが、
あまりに急に腹が立ったので頭が回らなかったのです。

「怒りと恐怖」は人間の自然な特徴ですので完全に克服できません。
しかし知恵が浮かぶくらいの怒りと恐怖で押さえたい。
そのためには慣れることもありますが、(苦労人は強い)
自分の怒りと恐怖と向き合って処理する訓練をすることです。
そういった感情(主に怒りと不安)コントロールのプログラムがあります。

●「1度は会社に入った方がいい」

電車の中吊りで雑誌広告「日本人の働き方・・1度は会社に入った方がいい」
という記事のタイトルが目に入りました。
これは私も賛成です。
会社に入るといやがおうで、朝出社して退社時間までは束縛されるので、
例外なしの繰り返しと勤勉性の修練にはなります。
だから将来商売やる人も、フリーランスやる人も、社長やる人も、
医者、弁護士、教師など最初から先生と呼ばれる人種も、
一度、3年くらいは会社務めするのはいい方法だと思います。


●宝くじ

会社のそばの銀行に面した宝くじ売り場で、
宝くじを買ったばかりの、青のつなぎの20代の青年とすれちがいました。
一瞬彼の未来の姿が見えました。
こういうのを「フォースの力」って言うのでしょうか。
リゾート地で高級スーツで高級車に乗っているビジョンです。

 私は昔、宝くじの仕事をしたことがあったのに一〜二度しか買ったことはありません。
35年前西荻窪に住み始めた頃から道路を隔てた場所におばちゃんが宝くじを売っていました
天井も雨よけもない吹きさらしの中で、
ばちゃんが膝元に火ちりんなんかおいて売っていました。
服装も私服だった気がします。
今は銀行に面したブースの中で2人、中は冷房も暖房も効いているでしょう。

 「買わなきゃ当たらない」「夢を買っているんだ」というのが買う人の言い分ですが、
当たらない人も多いはずだから、「何度買っても自分には運がない」という軽い失望感も、
同時に買っていすはすですが、そこは楽天的に処理しているのでしょうね。
今日見たら壁に「この売り場から5000万円の当りがでました」と大きく書いて貼ってあったけど、
あれが効果抜群の最高の宣伝だと思います。

●炎上する

ツイッターのことをデジタルタツーっていうんだそうです。
タツーは入れ墨のことですから、
一旦入れた入れ墨は後で後悔しても消せないように、
一旦放った言葉は消せないという意味でしょう。
「ソフィの○○」という有名な本を翻訳した○○さんが
「○○(日本の首相の名前)死ね」と書いたのが炎上してたいへんなことになっているとか。
しょっちゅうあちこちで炎上が起きているようです。
言い人は別に社会に向って言い放ったのではなく、
個人的に愚痴ったのだと思いますが、
仕組みがそうはなっていない。
2チャンネルで憂さ晴らししている無名の人のメッセージは無視されるけど、
なまじっか名前のある人がそれをやると「あんな人があんなことを言って」と攻撃の的になる。
『・・・死ね」というセリフはだれだって個人的に一度ははいたことがあるはずですが、
ネット上にばらまくのは無防備過ぎます。
日本国民の何割かが知っているという、本当の有名人じゃなくてもいいんです。
世間の人は誰も知らなくても例えば「○○の世界で知られている○○が」と書かれたら、
その時点からすぐに本当に有名人になってみんなから袋だたきにあってしまう。
皆さん気をつけましょう。


●二円切手のデザイン

 郵便料金が値上がりして今一番売れている切手でしょう。
描かれてい「エゾユキウサギ」は可愛いのですが、
レイアウトはもう少し、なんとかならなかったんだろうかと思います

 理由ははっきり言えます
ウサギや数字やロゴの足した分量(ポジティブスペースで中身の分量)と、
背景の分量(ネガティブスペースといって背景の分量)が同じだから緊張感がないのです。
グラフィックデザイナーにまかせたら、
ポジティブスペースとネガティブスぺ−スの分量を6対4または7対3にするでしょう
私ならウサギと文字が6で背景が4にします。
切手のような小さなスペースはその比率が綺麗です
はんたいいポスターのような大きなスペースになると7対3ぐらいで
7を背景3を中身にしたりあるいは逆にしたりします。
もちろん、全面中身で埋めるレイアウトもありますが、それは別の話です。

●年々上昇する年齢

 私が属しているテニスクラブからお知らせが来て、
今年のクラブ選手権の「壮年男子ダブルス」がこれまでは55歳以上だったのが、
今年から60歳以上になりました。
以前は確か45歳、それが50歳になり、55歳になり、今度は60歳・・・・
一般男子は技術的に上手な人がいて、とても勝てる見込みがなおのです、
壮年になると体力勝負という面も出て、チャンスも膨らんだのですがもうだめです。
団塊の世代はずっと区切りの年齢が追いかけててきて、
昔の受験戦争がそのままテニス倶楽部まで続いています。
メリットもないわけではありません。
同年齢の遊び相手に不足がないことです。


●道路上のアート

 近所を散歩していると、
アンディ・ウォーホルにまけないポップアートを、
道路上に見ることが出来ます。
車と歩道をわける白い線の精巧で美しいこと!
止まれと言う文字の完成度が高いこと!
鑑賞にたえます。
文字と線はどこもはみ出していなくて迷いがない線です。
どうやって書けたんだろうと不思議。
へたなデザイナーがマッキントッシュとillustratorで書くより美しい線です。
真っすぐな道路と、曲がり角のそって、曲線で曲げますがその、
直線と曲線のつなぎが一番難しいのは、熟練デザイナーならだれでも知っています。
もっと感激するのは微妙に曲がった道と曲がり角のカーブのつなぎ方です。
もう完全なアートです。

日本人はちょっとしたことでも、
精度を高めるという習性を持っていますが、センスと技術の粋を見ました。
今、来日中の中国人デザイナーに見せて自慢したいくらいです。

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