もどる 文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)
W_e_e_k_l_y__D_e_s_i_g_n__J_o_u_r_n_a_l______________________________
 
■■■■■「デジャ」
■■■■■■■■
■■■■■■■■
■■■■
■■■■■■
■■
■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■週刊
■■■■■■■■■■デザインジャーナル342号
■■■■■■■■■■
■■■■■■■
■■■■■■■■■■2014年11月28日(金)発行
■■■■■■進む原田
■■■■■■■■
================================================================
目次
0・・・・・・まくら

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 ■■      
■  ■     
■  ■   
■  ■   まくら
■  ■    
 ■■

●日なたぼっこ

 時間が経つのが早いですねーーはやい はやい はやい
もう秋、そして冬 
11月も終わり師走に突入です。
このところ雲ひとつない秋空で、日差しがとても気持ち良くて、
毎朝近くの公園で、メロンと二人でぼーっと日なたぼっこしています。
あれっ?!「ひなたぼっこ」で正しいのかな?「日なたごっこ」じゃおかしいしと、
ネットでト調べたら「日なたぼっこ」とは 日なたでまどろむこと。
「ひなたぼこ」が音便化したものと思われる。・・・で正しかった。
以前の私の辞書には「散歩」や「日なたぼっこ」は載ってなかったのですが、
妥当な変化だと思います。

●一位じゃなきゃヤダーーーー!

 昨日、吉祥寺のホームで見たのSoftBankのポスターのキャッチコピーです。
指原莉乃が白い装束で滝に打たれている写真。
総選挙で二位になったらしくて、
一乗谷の滝に打たれて一位を誓うという設定。
画面の隅のほうで白犬のお父さんが、
「一位より大事なことがあるだろう・・・」とつつぶやいています。
右隅に、スマホ満足度No.1 SoftBank とクレジットです。

二位も価値がある
エリエル・サーリネン という世界的に有名な建築家がいますが、
1922年、シカゴ・トリビューン社の本社屋、国際コンペで二位だったにも関わらず、
地元の有力者であるジョージ・ゴフ・ブースに目をつけられて、
クランブルック美術大学の校長になったという話もあります。
私もどういうわけか二位が多くて、
九州沖縄芸術祭ポスター展やプリントマガジンカバー国際コンペも二位です。
エリエル・サーリネンの話には勇気つけられましたが、
まだどこからもおよびはかかりません(笑い)。

●和紙のあかり画展

 昨日、和紙のあかり画展のオープニングに行ってきました。
デザイナーの清水忠男さん。
千葉大名誉教授ですが今は金沢美大大学院教授です。
ちょうど和紙がユネスコの無形文化遺産に登録されたばかりということと、
明かりのLDEがノーベル賞で騒がれました。
計画はずっと前からだそうで、なんというラッキーな重なりでしょう。
新宿のリビングデザインセンターOZONE の7階で12月9日までです。
一見の価値アリ。

  この清水さんがクランブルック美術大学の卒業生で、ネットで調べたら、
イギリスの王立美術大学と同じ大学自体が大学院で、
世界中から優秀な人材が集るので超難関校なのだそうです。
つまりロースクールやビジネススクールの美術版ですが、
まだ日本にはこういう形式の大学はありません。
作れば上記の二校のように、世界中から生徒が集ると思うのですが、
場所は京都がいいと思います。

●新宿南口

 昨日と今日と二日続けてJR新宿駅南口に行きましたが、あの人の多さはどうでしょう。
異常か環境です。あの場に行くとくらくらします。
足の踏み場もない状態で、隙間にできた人の流れの合間を縫って歩く感じです。
今は携帯電話があるので、待ち合わせの相手が見つかるのでしょうが、
よくああいう場所で待ち合わせするものだと思います。
新宿は南にむかってどんどん拡がっていて、南口ができて以来、
いつの間にか新南口、東南口、サザンテラス口といくつもの出口ができていました。

●脳を知ると心が少しみえてくる

 脳科学者や心理学者が書いた脳の本を読むと心を知る手がかりがえられます
「脳トレ」といったたぐいの本ではなく、最初取っつきにくい読んでもつまらない専門書です。
心理学者が心の動きのヒントを脳に求め、様々な工夫で実験して証明しようとしています。
さんざん小難しい理屈と説明の後に、「実験の結果・・・が解った」と書いてあるけど、
「・・・・」は昔から言われてきた常識だったりするわけです。
しかし科学的な手続きや説明に慣れてくるとそれなりに面白くなります。

 脳の本を読むようになったきっかけは、
事務所の前の「猫の手」という古本屋さんです。
そこの棚にどうも同一人物が放出したと思われる脳に関する本、
例えば、「脳が『生きがい』を感じるとき」
「シナプスが人格をつくる 脳細胞から自己の総体へ」
「脳から見える心─臨床心理に生かす脳科学」
「最新脳科学で読み解く 脳のしくみ」といった普段は手に取らない本が並んでいて、
安いからと買って読み始めたら少しづつ興味がでてきました。

 先日友人から「この本読んでみたら」と勧められたのが、
最近、出たばかりの「脳科学は人格を変えられるか?」
エレーヌ フォックス、 Elaine Fox (原著)森内薫訳 文芸春秋社です。
表紙には心理の本には珍しく質の良いイラストが載っています。

 翻訳が上手なこともあり、本文は読み物風にわかりやすく書いてあり、
最後にびっしり小さな文字で28ぺージにもわたって出典が書いてあるので、
専門書としての価値もあります。
こういう本にめぐりあうと「ラッキー」という気がします。
この本の最大の収穫は、「雨脳」と「晴脳」があることがわかったことです。

 前回から書いてきた楽観主義と悲観主義のヒントになります。
「人間とはなにか」「性格とはなにか」「人生とはなにか」「生きることとはなにか」という、
哲学や生理学からスタートした心理学も、脳の研究を通じて科学に近づいてきた感じです。
理屈ではなんとなくわかっていても、脳の解剖学的に証拠をみせられると、
頭のほうでも納得できます。

 脳の研究が加速したのはfMRIといった スキャナーができたことです。
手術で脳を開かずに外から見えるようになったのです。
被験者に怖い写真を見せると「脳のこの部分が赤くなった、あの人も、この人も」というぐあいで、
脳のどの部分で恐怖を感じるかが分るわけです。

 スキャナーができるまでは、事故や病気で脳の一部分を失った人がどう変わったかで、
その部分が何に影響していると予測していました。
有名な話がフィネアス・P.ゲージという米国の鉄道建築技術者の職長の話です。
彼が事故で鉄の棒が頭を完全に突き抜けて左前頭葉の大部分を破損したのに、
奇跡的に命はたすかったものの、性格が変わってしまったという例です。
元の責任感のある几帳面な性格から、いい加減なわがままな性格に変わったというのです。
ということから、怪我で失った前頭葉が、きちっと計画したり考えたりする部分ではないか、とわかるわけです。
その他、ある部分を失うと話せなくなったり、相手の話していることがわからなくなったり、記憶が途切れたり、
様々な不都合と損傷部分と照らし合わせて、脳の部分の役割を推しはかっていたわけです。

 スキャナーのおかげでそうとうな細かい働きまで見えるようになったことから、
明るい性格とか暗い性格とか言うかわりに「雨脳」「晴れ脳」と言えるようになったのです。
脳の実験データで説明されると、単純に「ポジティブに考えよう」などと言えなくなり、
本人の努力だけではないのかなと考えが変わってきます。
たとえば「雨脳」の人は悪いころばかり目が行くと実験で証明されたし、
「晴脳」の人は悪いことは見て見ぬふりができて良いところばかりしか見ないと言います。
前から知られていたことですが、それを科学的に照明しているわけです。

 ポジティブ思考の周りに人が集るのはコンビニの明るい照明に人が集るのと同じで、
少しでもハッピーな情報が欲しいからだろう。
ポジティブ思考の人の方が周りに人とお金が集る道理だ・・といったことが、
脳の研究で実証される日も近いでしょう。

 中には「扁桃体」が壊れていて恐怖を感じない人もいます。
危険を察知できないので失敗も大きいでしょう。
こういう人は「能天気」であって「晴脳」とは言えないかもしれません。
「雨脳」の遺伝子の人が、恐怖を克服して「晴脳」にかえられた人は、
明るさと用心深さを同時にそなえた、万人に一人といわれる英雄の資質があるのかもしれません。

 心理を学ぶ人はどちらかというと「雨脳」の人が多いようです。
心理セミナーのはじめに参加全員に「最近起きた良い出来事と、悪い出来事」を話してもらいます。
「雨脳」の人は最初に「・・・という良いことがありました。しかし・・」と接続詞でつないで悪い話をします。
聞いた方は悪い方の出来事しかしか印象に残りません。
「晴脳」の人はまず悪い出来事をサラリと話したあと、良い話でしめくくります。

 先日は講師の私も、悪い話として洪水で車が沈んでパーになった話をしました。
皆が「エーッ」とびっくりする話です。
講師がここでしゃべりすぎたらいけないと、良い方の話をはしょりました。
そしたら参加者の一人が「そのおかげで新車が買えるんですね」とリフレームしてくれました。
「そ、そうなんですよ」とうれしくなってしまいました。

 「晴脳」の人は悪い話をひっくり返して、良い面を見ることができるということでしょう。
私はクルマがパーになったショックで、自分でリフレームできなかったのです。
ここに「晴脳」を「雨脳」に変えるポイントがあるようです。

______________________________________________________________________________
購読申込・購読中止は以下で可能です。購読は無料です。
http://www.praxcis.co.jp/deja/
______________________________________________________________________________
メールマガジン「週刊デザインジャーナル」(mag2 ID=0000014473)
発行元:プラクシス株式会社  http://www.praxcis.co.jp/
    『まぐまぐ』 http://archive.mag2.com/0000014473/index.html
発行者:進む原田  susumu@praxcis.co.jp
______________________________________________________________________________
・・‥……………………… (c) 2014 Susumu,Harada …………………‥‥・・

文責:進む原田 (susumu@praxcis.co.jp)



購読申込(半角):

:送信先メールアドレスをご記入下さい

購読解除:

:送信先メールアドレスをご記入下さい

Powered by

Mag2 Logo