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W_e_e_k_l_y__D_e_s_i_g_n__J_o_u_r_n_a_l______________________________
0・・・・・・・まくら 1・・・・・・・「その時の怒り何%?」スケーリングクエスチョンと感情のセルフモニタリング 2・・・・・・・心理学における 健康的な人格・・・3 フロム 3・・・・・・・アルバートエリスの健康的な生き方・・・その13(最終回) 健康な人は「自分の混乱に責任をとる」ことができる ////////////////////////////////////////////////////////////////////////// ■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ まくら ■ ■ ■ ■ ■■ ●あけおめ・ことよろ・しごさい 一般言葉として定着しつつある「あけおめ・ことよろ」に 「しごさい」(仕事くださいの略・・・原田作)を加えて あちこち仕事先に送りました。 あ、読者の皆さんには あけおめ・ことよろ・よんさい(読んでください)ですね。 ●舞浜駅のチャイム音 さすがディズニーランドがある駅です。 チャイム音が「イッツ・ア・スモールワールド」(小さな世界)でした。 イッツ・ア・スモールワールド館で、小舟に揺られながら ずっとあの素晴らしいメロディを聴かされ続けるので、頭に焼き付いています。 民族衣装の人形の世界を旅して回るアトラクションコンセプトも素晴らしいです。 トンネルからでて小舟を降りるころは皆人類博愛主義者になっています。 ウィークデーで通勤時間だったので、舞浜で降りたのは若者2人のみ。 あとは全部、幕張方面に向かう通勤ビジネスマンでした。 ●しるこ依存症 と、おおげさなものじゃありませんが習慣にはなっています。 この3ヶ月毎日、仕事帰りに四ツ谷駅ホームの自販機で、 伊藤園の「大納言しるこ」を買って飲みます。 缶コーヒーやお茶のならびに粒餡「大納言しるこ」とあったので、 試しに飲んだらほんとにしるこの味がしてあずきの粒が出てきました。 大納言小豆を100%使用しているんだそうです。 寒いホームで缶から飲む生暖かいしるこもオツなものです。 ちなみに半年間の朝の習慣は「爽健美茶」 青い細い帯が、冬は赤帯に変わってホットで飲みます。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////// ■■ ■ ■ 「その時の怒り何%?」 ■ スケーリングクエスチョンと ■ 感情のセルフモニタリング ■ ■■■ 「僕だったら100%うれしい」 キリン一番絞りのポスターです。 イチロー選手がグラスを傾けています。 プロスポーツ選手ほど個性的な存在はないと有名な心理学者が本に書いていましたが その中でもイチロー選手はずば抜けて個性的なサムライ顔です 「100%うれしい」があれば「50%うれしい」もあるわけです。 感情を%で表現する言い方は認知感情療法ではよくします。 心理相談ですから、うれしくない方の感情、例えば「悲しみ」とか「怒り」です。 「うれしい」は心地よい良い感情で「ポジティブ感情」と呼びます。 「悲しみ」とか「怒り」という嫌な感情は「ネガティブ感情」です。 相談者「昨日上司からこういうこと言われてあったまにきました」 セラピスト「それって怒り?あなたが経験した最高の怒りを100として何%でしたか?」 相談者「120%!」 セラピスト「ははー怒り心頭に達したというところかな?」 読んでいると非日常的な変な会話ですが、相談者もだんだんこの会話に慣れてきます。 感情の程度を尺度で聞く「スケーリングクエスチョン」と呼んだりします。 不愉快なネガティブな感情にも、 健康レベルのネガティブ感情と不健康レベルのネガティブ感情があります。 120%から80%だったら、ためとくと心身の病気になったり、 不適切な行動に結びつくから不健康なネガティブ感情で、 40%までくらいだったら、いやなことがあったら当然ネガティブな感情は起きるわけだし、 なんとか自分でカバーできる程度だから健康なネガティブ感情です。 %で表す「感情スケーリング」のメリットは、 怒りや悲しみといった感情にも程度があることがわかることです。 健康な時は「感情の落ち込み」にも何段階の濃淡の階調がありますが、 心が弱ると「白か黒か思考」になり中間トーンが飛んでしまうのです。 「感情スケーリング」で、心の余裕が取り戻せたら、 うつうつとしたネガティブな感情も、一日の中で上下する、 相手と状況で上下することがわかると、 「ずーっとこのままの苦しい状態で辛い思いをしなければならない」が そうでもないと考えられるようになります。 普段あまり感情を意識にのぼらせない中年男性も、 「感情スケーリング」訓練を通して、 まず「怒り」という感情が自分の中にうごめいていることに気付きます。 本当は全身で怒っていても「自分は怒ってない」(カッコ悪いから)ことにして、 身体と脳が悲鳴を上げるまで感情を押し殺して生きている男性は多くいます。 「感情スケーリング」で、自分は怒ったり情けないと思ったりしているんだ(それが自然だ) ということを自覚できるようになり心が耕された状態になります。 DSM‐IV‐TRという精神障害の診断基準の中に、 機能の全体的評定(GAF)尺度というのがあって、 0〜100まで心と体と行動の調子を計る基準があります。 「今日の朝、僕はガフ(GAF)86だ」と心理仲間で言ったりします。 (GAF)尺度の注意書きに90とか80とか四捨五入しないで、 93とか87とか端数まで入れることと書いてあります。 クライエントの状態を観察してこちらが評価するのですから、 どっちみち曖昧なんだから90でも93でもいいじゃんと思うのですが、 無理して端数をつけるようにしてて、最近理由がわかりました。 60、50、40だと0〜100まで10段階しかありませんが、 端数まで入れると100段階になりグレートーンが膨らんだように感じます。 実は何かきっかけで感情が動いたときに、例えば「落胆」だけではなく、 同時にいろんな感情がわいているんですね。落胆をん分解してゆくと、 自分に対する怒りだったり、状況に対する悲しみだったり、落胆している自分が情けなかったり、 将来に対する不安だったり、何層にもなっています。そこでスケールが役立ったりします。 落胆72%、悲しみ60%、怒り54%、情けなさ54%、不安76%・・・ 「あれっ自分は不安が大きいんだ」と気付いたりします。 一晩おいてまたチェックしたら、状況は変わらないないのに、 不安が54%に下がっていたりすることもあります。 「感情を数値化するなんて」と、性格によっては味も素っ気もない話かも知れません。 「あの人の一言(刺激)で67%の怒り(反応)を感じている」と、 セルフモニタリングできるようになります。 ということは、自分を観察しているもう一人の自分が同時にいるわけで、 観察されている自分と観察している自分がいったりきたりするわけです。 そういう認知を認知することをメタ認知といったりします。 人と関わり刺激をされながら、豊かな感情の種類と程度のトーンの中で、 生活しているわけで、なんと面白い世界でしょう。 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(13)自己の心理的混乱に対する責任 健康な人間は、自らの自滅的な考えや感情、 行動に対して、他人や社会の状況を防衛的に非難するよりは、 自分の心理的混乱に対して、責任をもっことを認める傾向がある。 (以上原文) ---------------------------------------------------------------------------------------------- 同じことが 「アルバート・エリス人と業績」ヤンクラJ.・ドライデンW.(著) 國分康孝・國分久子(監訳) 1998 には以下のように表現されています ---------------------------------------------------------------------------------------------- (13)自分の悩みは自分の責任 エリスは次のように仮定する。 より健康な人は、自分の感情的・行動的混乱に対して、 自分の責任を引き受けようとする意志があると。 彼らは、自分の問題を他人や周りの状況のせいにして非難しない。 自己防衛するより、自分の心理的機能を改善するために努力するのである。 (以上原文) ---------------------------------------------------------------------------------------------- 以下原田の感想 健康な人は自分の心理的混乱に対して責任を持つ・・・ 自分の心理的混乱を認めて、自分の問題として、 「まいったなーおれもだめだなー」とか言いながらなんとかしようとする。 不健康な人は「あいつがあんなことしなければ心理的混乱がおきないですんだのに」と 他人や社会のせいにして自分の感情処理は棚上げにします。 前者と後者の大きな違いは、前者は混乱を自分で引き受けるので何とかなってゆきますが、 後者は、あいつが改心して心を入れ替えて行動を改めなければ、と不毛な時間を費すだけで、 いつまでも感情が制御できず考えもまとまらず対処行動も取れません。 こここで最後にアルバートエリスの口癖、 「他人と過去は変えられない」「変えられるのは自分の考えだ」が生きてきます。 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